山口智子さんのホロスコープ

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ヤフーニュースを見ていたら、こんな記事がありました。

山口智子「親になりたくない」告白にあった少女時代のトラウマ

山口智子「産まない人生」発言が大反響を呼んでいる理由

子供をつくらない生き方をあえて選ぶ女性は『結婚相手の選び方』にとって関係が深いと思い、それぞれの記事のネタ元である『FRaU3月号』を読んでみました。


FRaUを読んで気になったのは、彼女の本質が見えてこないという点でした。もちろん読めば、どういう生き方をしたかは分かるのですが、なにか違和感を感じるのです。

そこで、とりあえずホロスコープをつくってみました。栃木市の旅館の娘に生まれて、女将になる道をあえて拒んで女優の道に進んだ、とありましたので、4ハウスの天王星をきっかけに予想しました。

山口智子

第4ハウスの天王星:伝統的な家系からの核家族化。 血筋が途中から切れて接ぎ木するかのように、異質な環境に飛び込む人もいる。また分家する人もいる。生活環境は異変が多く、どこにも根づかない生き方をする場合も。都市生活に適性がある。

4ハウス天王星を配置した時に、5ハウスに太陽と水星が入りました。5ハウス太陽は多くの芸能人がもつ天体なので、この予想の信ぴょう性を高めています。問題は5ハウスの水星です。

第5ハウスの水星:多くの人と楽しいコミュニケーションをしたい。しかし、しばしば自分の思い込みで人を判断する。会話には脚色がある。

5ハウス水星はさそり座にあります。さそり座の支配星は冥王星。5ハウスの冥王星が言動の極端さをもつように、さそり座の5ハウス水星は会話の脚色が極端になるのでしょう。そう考えると、FRaUで感じた違和感は納得できました。

たとえばこんな発言があります。

「家が商売をしていたので、子供の頃の夜ご飯はいつも一人。家業の店から毎晩出前が届く。1年のうち300日はハンバーグ定食で65日はヒレカツ定食。だから今でも一番癒される食べ物はヒレカツと洋食屋さんのハンバーグ(笑)。・・・」

そんなわけないやろ・・・と思いますよね?

何を食べたかはどうでもいいのですが、山口さんの発言全体がこのように不自然なのです。発言が不自然なのは、単にさそり座の5ハウス水星を持っているからだけではありません。さそり座の水星と天秤座の太陽でコントラストが生まれるからです。さそり座と天秤座の強いコントラストにもかかわらず、合なので大きく影響を受けてしまいます。それが心と言葉の乖離としてあらわれます。

ただ、水星の性質に気づいてからは、彼女の言葉は話半分で受け取ればいいと分かり、本質が見えてきました。


ヤフーニュースの記事にはこんな記述があります。

前出の芸能関係者は言う。
山口が6歳のころ、両親が離婚しています。妹は母が育てることになりましたが、山口は父親側に引き取られ、祖母に育てられることになりました。この家族離散は、彼女の人生に大きな影を落としていたのです

夫・唐沢もかつて自伝『ふたり』でこうつづっていた。
幼くして両親が離婚したとの事実は彼女の心に大きな空洞を作り、その空洞を人を愛することで埋めようとしているようなところがあった》

FRaUの中で山口さんはこのようにいっています。

仕事は始めた理由は、ごくごくシンプル。『田舎に帰りたくなかったから』。ほんと、不純な動機です。実家は当時、旅館を経営していて、一人娘の私は家業を継いで旅館の女将になるという道が定められていた。でも本心は揺らいでいて、20代前半の頃は、どうにか家業を継がないで済む方法はないだろうかと必死でもがいていました。演技の仕事は一時的なものだと親をだましだまし続けていくうちに、幸運にも途切れることなくお仕事をいただきながら、気づけば30歳。(略)」

(それにしても、なぜそんなにも、20代の山口さんは、故郷に帰りたくなかったのだろうか。)

「旅館を一人で切り盛りしていた祖母は、ほんとに大変そうだった。週末もよく宴会の準備や片付けを手伝わされました。友達と遊ぶ暇があったら家で修行しろ、と。でも、自分を犠牲にして家業に尽くす祖母の生き方は、私にとって、ある意味良い反面教師だったのかもしれないですね。私は『家』という宿命に縛られるのではなく、自分自身が後悔しない人生を自分で選び取りたいと、いつしか心の奥で強く願うようになりました。そして、定められた道から逃れるように、故郷から飛び出したわけです。だから今も、故郷というものへの喪失感は強いですね。自分の帰る場所がどこなのか定まらないまま、何かをずっと探し続けているような・・・・・。もちろん今は、唐沢さんが待つ家に、喜んで帰って行きますが(笑)。もっと原初的な、血のルーツとしての『故郷』ってなんだろうと考えた時に、胸を張って生まれた場所の名を上げられない虚しさがある。本当の魂の故郷はどこなのだろうと・・・。」


ホロスコープにはヨッドがあります(緑色の部分)。

11ハウスの月に対して、4ハウスの金星(冥王星)と5ハウスの海王星がインコンジャンクト(150°)になっています。そして金星と海王星はセクスタイルの関係。

山口智子アスペクト表

インコンジャンクトは教育や訓練の意味があります。ヨッドはセクスタイルをつくる2つの天体が、先っぽの天体を拘束し、訓練します。

この場合は、(特に15歳~25歳頃の)彼女の家庭環境(4ハウス金星)と、役者になるという意志(5ハウス海王星)が、素の彼女を表す月を拘束し、訓練しているのです。家業を継がせようとする親と、役者になろうとする意志の挟み撃ちに会い、彼女は葛藤します。

4ハウスの金星は冥王星と天王星に合ですから、支配的な家庭環境(4ハウス冥王星)から逃れたい(4ハウス天王星)と考えています。4ハウス天王星は都市生活に適性があるので、田舎を離れたいという思いが強まります。


4ハウスの3天体は10ハウスにある魚座のカイロンとオポジションです。魚座の10ハウス・カイロンは、あいまいな(魚座)親(10ハウス)に負わされた傷(カイロン)と解釈できそうです。親と子の強い結びつきを絶たれた経験が、親子関係への不信を生み、彼女の家族観を形成したのでしょう。

私はずっと、子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました。今でも、一片の後悔もないです。人それぞれ、いろんな選択があっていいはず。もちろん、子供を持って初めてわかる感動もあると思います。実際に産んでみないとわからないことだと思うけれど。でも私は、自分の選択に微塵の後悔もないです。夫としっかり向き合って、二人の関係を築いていく人生は、本当に幸せです」


社会的な立場を表すMCは魚座になりそうです。

そしてカルミネートする(MCに最も近い)天体は土星になりそうです。このことは監督的(土星)な仕事が彼女のキャリアの最終目標になることを表しています。

FRaUにはこのような記述がありました。

2000年頃から、山口さんは旅の映像シリーズの制作に着手し、意欲的に未知のと地を訪れるようになる。そして40代になると、日本の職人の物づくりの世界に惹かれ、日本各地を訪れ、使い手の笑顔のために労を惜しまぬ職人のエンターテイメント精神を追った。(中略)2011年からは、『LISTEN.』という、民族音楽を入り口にして世界を巡る映像シリーズを自ら立ち上げた。(中略)40代後半にして、山口さんはライフワークを見つけた。

詳しい内容は分かりませんが、自ら立ち上げたとあるので、やはり監督的な仕事と考えられます。

土星は9ハウス側にあるので、海外に関係します。

土星は水瓶座にあり、土星が近接するMCは魚座にあるので、水瓶座と魚座のコラボレーションで映像芸術に関係します。

海外(9ハウス)での映像芸術(水瓶座×魚座)の監修(土星)がライフワーク(カルミネート)となったわけです。


あと、3ハウス火星は彼女の著述(獅子座の3ハウス)活動(火星)を表している、ともいえますが、彼女は3ハウス火星を唐沢寿明さんに投影しているように思えます。

FRaUではこのような発言がありました。

唐沢さんは、夫であり、家族であり、友であり、恋人であり・・・・・・。唐沢さんと一緒に生きることは、本当に楽しいです」(中略)「夫は私とは真逆の嗜好。彼の興味は、好きな仕事と車、あとブルース・リー、たった3種類だけ(笑)。でも私は多種多様なことに興味津々で、一緒に旅をしても興味の対象が全く違うから、食べる時以外はいつも別行動。」

女性にとって婚外の男性意識を表すのは火星です。本来配偶者は太陽なのですが、山口さんは唐沢さんに対してまだ恋人意識があるそうです。

3ハウス火星は本来は乗り物好きになりやすい。獅子座の火星なので、自己表現も好きなのでしょう。

つまり乗り物好きと、自己表現好きを男性に投影したら唐沢さんだったということです。

火星は女性の生き方を表す月とトラインで良い関係。しかも彼女の月は火星とのトラインしかメジャーアスペクトをもちません。

そのためいつまでも甘い関係に浸って恋人気分を抜け出せないともいえますが、ホロスコープ全体の意図からすると、それも織り込み済み。


彼女のホロスコープの意図とはなんでしょうか。

まず11ハウスの月は、女性運動に参加する人を表します。月は女性を表し、11ハウスは社会運動を表しますから。

はっきりと社会運動と分かる活動をするとは限りませんが、女性の生き方を支援したいという考えをもつのです。

11ハウスの月は牡羊座にあります。牡羊座はアイデンティティーを表すため、女性の生き方の根本的な部分、すなわち「女性の在り方」を、彼女は問いかけています。

ニュースに書かれているように、FRaUの発言は反響を呼びました。コメント欄をみても、彼女の言葉に勇気づけられた女性は多いようです。

つまり、子供を持たない生き方をみずから体現することで、同じような生き方をする女性の精神的支柱になろうとしたのです。それが彼女の人生が意図した癒し(MC魚座)です。


FRaUの記事は、山口さん自身の発言はちょっとアレなのですが(笑)、取材したライターの力量によってうまくまとめられています(「取材・文/菊地陽子」とクレジットされてました)。ライターの言葉のなかに、山口さんの本質をしばしば見ました。

“受け継がれてきた素敵なものに夢を加えて、次に手渡す”と言葉にするのは簡単だが、彼女の物事に取り組む姿勢は、どこか献身的な感じがするそのエネルギーがあまりにも膨大なので、「そうやって頑張れるのは、“自分のため”じゃないからですか?」と質問すると、目を丸くして、「え、どうして?自分のためですよ」とあっけらかんと言った。

「献身的」という言葉は、他者を癒そうとするMC魚座の本質を突いていると思います。鋭い人だなぁと感心していたのですが、優秀なライターを「引き寄せた」のも、実は山口さんなのです(12ハウスの木星・ドラゴンヘッド)。

以上、山口智子さんのホロスコープでした。


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