ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルとは
ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルはとても観念的な感受点です。
観念的とは「具体的事実に基づかず、頭の中だけで考えるさま。 」
なぜドラゴンヘッドは具体的事実に基づかないのでしょうか?
たとえば、太陽はその人の進路を示します。どんな仕事をしているか、太陽のサインを見れば想像できます。太陽は仕事に結びつく、という点で太陽は具体的事実に基づくといえます。
一方ドラゴンヘッドは前世からの指針を表します。前世であのようなことをしたので、今世はこのように生きる。これがドラゴンヘッドの意味です。しかし、前世で何をしたか具体的・客観的に検証する術はありません(2018年現在)。なので、ドラゴンヘッドは具体的事実に基づかないのです。
具体的に検証不能なのでドラゴンヘッドは取るに足らないか、というと、そんなことはなく、非常に大切なポイントです。
なぜなら、今世はこのように生きるとは、すなわち、なぜ私はこの人生を選んだのか、を解き明かすからです。これは突き詰めれば、あなたの存在理由そのものです。
これ以上大切なものがありますか?
ドラゴンヘッドの反対のドラゴンテイルは前世を含む過去世を表します(今世の初期も含まれる)。例えば、ドラゴンヘッドが魚座でドラゴンテイルが乙女座だと、前世は実務優先(乙女座)の生き方をしたので、今世はスピリチュアル(魚座)に生きてみようとなります。このような転生のバランスを司るのが、ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルなのです。なぜ転生をするのかというと、前世で生んだ「カルマ」を、新しい人生で解消するためです。
人間社会で例えれば、犯罪を犯した人は、刑罰を受けなければなりません。犯罪を犯すと→刑罰を受ける のような因果関係を、魂の次元ではカルマといいます。つまり、魂のバランス調整をするのがカルマです。
犯罪を犯すと→刑罰を受ける、の因果関係には、秘められた意図があります。犯罪を犯したなら、それ自体を学びとして新しい生き方をしてほしい、という意図です。
カルマも同様です。ドラゴンテイルに暗示される過去の生き方を活かして、ドラゴンヘッドに暗示される新しい生き方をしてほしい、という意図が込められています。
ラッドウィンプスの『前前前世』が流行したように、「前世」の考え方は社会的に広まりつつあります。しかし前世を信じない人も多いでしょう。前世を信じない人は、ドラゴンテイルはDNAに書き込まれた親や先祖の歴史…などと考えます。あなたの好きなように考えていいのです。なぜなら、いかように考えても、それを検証する術はないのですから。
あなたの考えるドラゴンヘッド・ドラゴンテイルの意味、それが正解です。その考えをするためにあなたは、今の人生を選んで生まれて来たのです。
占星術では、ドラゴンテイルは前世(と今世の初期)、ドラゴンヘッドは前世を反映した今世の生き方、という解釈が一般的で、観念的とはいえ矛盾の少ない解釈です。従って当サイトでもその解釈に沿って説明します。
あいまいなドラゴンヘッド・ドラゴンテイルの意味ですが、重要視されるのは、太陽・月・地球に関連する軌道の交差点だからです(※)。つまり太陽は私たちの行く先を示し、月は過去を表し、地球は現世の身体を表します。人間界の三位一体を表すポイントがドラゴンヘッド・ドラゴンテイルなのです。
※月以外の天体にも軌道の交差点(ノード(結び目)と呼ばれる)は存在します。ただ占星術でノードといえば普通、月のノードを指します。ノードの別名がドラゴンヘッド・ドラゴンテイルで、日本ではむしろこの別名が定着しています。
太陽の見かけ上の通り道を黄道といいます。黄道を面であらわした場合、月の軌道と黄道面が交わる点がノードです。
月の軌道が黄道の下から上昇しながら黄道面と交差するノードがドラゴンヘッド ☊ です。月の軌道が黄道の上から降下しながら黄道面と交差するノードがドラゴンテイル ☋ です。ドラゴンヘッドとドラゴンテイルを結ぶ線をノード軸といいます。
ノードは一緒に動作し、ノード軸を動きのシーソーとして見ることができます。あなたの過去世の贈り物 ☋ はあなたの今世の旅 ☊ に貢献します。過去世の贈り物を引き出し、それをフルに活用すると、過去は徐々に解決され、新たな方向と領域の探求へあなたを導きます。
人生を通じて、機会と状況によって、ドラゴンテイルの古くて親しみのある方法からドラゴンヘッドの新しい領域や冒険へと移行することができます。
人生に満足していないか、夢がどこにも見当たらない場合、あなたは行き詰まって、ノードの間違った目的で行動している可能性があります。そのため、前進するよう努力する必要があります。
先ほどの例えだと、ドラゴンヘッドが魚座で、ドラゴンテイルが乙女座でしたが、実際にはハウスもあるので、ヘッドが魚座で6ハウス、テイルが乙女座で12ハウスという複雑なケースもあります。観念的で複雑なので難しいのですが、ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルの難しさは人間の現実を反映しています。
サインは過去の才能 ☋ や現在の課題 ☊ が何であるかを、ハウスはそれらがどの分野で起きた ☋ か、起きる ☊ かを示しています。
「前世」「カルマ」の印象と同じく、ドラゴンヘッドは観念的で、話せば話すほど誤解が広がる厄介ものです。
このため私はドラゴンヘッドに消極的でした。
「前世」や「カルマ」を使わなくてもドラゴンヘッド・ドラゴンテイルを簡単に説明する方法があります。
ドラゴンヘッドは得意分野を表し、
ドラゴンテイルは不得意分野を表す。
ホロスコープを読むだけならこの理解で十分です。私も有名人のホロスコープを読む際はこの理解だけでした。
しかし占星術を長くやっていると、もっと深い意味を知りたくなるかもしれません。そんな人は、ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルの深遠な意味を紐解いてみるのもいいでしょう。
ここではドラゴンヘッド・ドラゴンテイルのサイン、ハウス、天体とのアスペクト、シナストリー(2者間のアスペクト)を説明します。
ミーンとトルゥー(平均位置と真位置)もリリスと同様に存在しますが、ドラゴンヘッドの場合、両者の差は無視できるほど軽微なので、特に言及しません。
最後にドラゴンテイルの出し方を紹介します。
アストロディーンストでのホロスコープの作り方は「ホロスコープの作り方」で紹介しています。
アストロディーンストでは、何もしなくてもドラゴンヘッドは表示されます。
「ホロスコープの作り方」ページ下部に↓の引用部分があります。
■小惑星などを表示する
チャート選択画面の一番下までスクロールするとこのような表示が現れます。必要に応じて、小惑星や「南の交点(ドラゴンテイル)」、アスペクトラインなどを選択して表示できます。スマホではチェックボックスにチェックして選択する場合もあります。
ドラゴンテイルを出すには「南の交点」を選択します。
ページ下部の紺色のボタン「クリックしてチャートを表示」を押すと南の交点、つまりドラゴンテイルが表示されます。
ドラゴンテイルも表示されると便利ですね。
ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルとは(このページ)
参考文献
Lunar Nodes: Discover Your Soul’s Karmic Mission (英語) Celeste Teal (著)
Healing the Soul: Pluto, Uranus and the Lunar Nodes (英語) Mark Jones (著)
前世・カルマ・魂の相性診断とその開運法 コズミック★ラブ超占星術 ジャン・スピラー (著), 東川恭子 (翻訳)