セレス

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セレス×12サイン

セレス×12ハウス


セレスの英語発音はセレスに近い音[seːrɛs]ですが、日本ではケレスと呼ばれることもあります。

セレスはローマ神話の農耕の女神セレスにちなんで命名されました。ギリシア神話のデメーテルに相当しますが、以下では便宜的にセレスで統一します


概要
ギリシャ神話の内容(ペルセポネの誘拐)
蟹座の支配星としてのセレス
牡牛座-さそり座の支配星としてのセレス
乙女座の支配星としてのセレス


概要

セレスの直径は約950km、公転周期は4.61年。周期からセレスが火星と木星の間に位置することがわかります。

セレスは穀物の生育をつかさどる大地母神です。セレスは母親の機能を象徴するにあたり、ひとつのサインでは表現できない数多くの心理的性質を支配します。具体的には蟹座、牡牛座-さそり座、乙女座に関連します。


セレスは蟹座の支配星として、私たちがどのように育児を受け(授け)、どのように他者を養うのかという問題に取り組みます。母親としてセレスは、新しく生まれた生命を維持し養うという、無条件の愛の原則を示します。セレスは生命を維持する栄養を運ぶ、母胎・臍帯として機能します。

セレスは牡牛座-さそり座の極性の支配星として、愛着と嫌悪の問題、喪失と拒絶の原因、悲しみや悲哀への許容能力などを支配します。

セレスは乙女座の支配星として、仕事、生産性、成長、自立の問題に取り組みます。

セレスは全てに栄養を与える母親の象徴であり、その名からシリアル(cerial=穀物)という言葉が生まれました。

母親の女神としてセレスは、生命の連続性を象徴する神話を具現化しました。穀物の女神としてセレスは、人類に農業の贈り物と、生命を育てる種の秘密を与えました。神秘の女神としてセレスは、娘ペルセフォネとの関係において、生まれ変わりのために死者を受け入れました。


ギリシャ神話の内容(ペルセポネの誘拐)

セレスはゼウスによりペルセポネをもうけますが、この娘を冥界の王ハデスが花嫁にと望み、ゼウスは兄のその願いを聞き入れてしまうのです。

そんなことはつゆ知らぬペルセポネは、春の野辺で花を摘んでいました。すると突然大地がぽっかりと口を開け、黄金の馬車に乗ったハデスがあらわれたかと思うと、泣き叫び嫌がるペルセポネを大地の底へさらっていきました。

娘の悲鳴を聞きつけたセレスは、手に松明をかざして必死に探しまわります。九日九夜、何も食べず沐浴もせずに地上の隅々までさ迷い歩きますが、手掛かりは得られません。しかしついに、唯一の目撃者、天空からすべてを見ていたヘリオス(太陽)が真相を教えます。

誘拐の元凶がほかならぬ夫であったことを知り、セレスの怒りはゼウスに向けられます。セレスは神々の住むオリュンポス山を去り、人間の世界に降りてしまいます。そしてエレウシスという所で自分を祀る社殿を造らせ、そこに身を隠していました。娘を失った悲しみと、夫への憎しみに満ちて、セレスはやせ細ってゆくばかりでした。

しかし、セレスがやせ細るということは大地がやせ衰える結果をもたらしました。畑では一粒の麦も実らず、種子はむなしく地に蒔かれるばかり。飢えのために人類が滅んで神々に犠牲をささげる者もなくなりそうになりました。

ゼウスはあわてて、神々を遣わして説得させますが、セレスは娘と再会するまでは決して天にも昇らず、大地に実りももたらさないと答えます。

窮地に立たされたゼウスは、神々の死者ヘルメスをハデスのところへ急行させ、ペルセポネを母親のもとへ帰すよう告げさせます。ハデスはゼウスの命令に大人しく従うかにみえました。しかし彼は、母のもとに帰れる喜びで有頂天のペルセポネに、こっそりとザクロの種子を食べさせます。

冥界のものを食べるのは、由々しきことでした。あの世の食べ物を口にしてしまうと、二度とこの世には戻れないと信じられていたのです。

ペルセポネは冥界を離れられなくなってしまいますが、ゼウスが介入しました。

一年の三分の一を夫ハデスのもとで過ごし、三分の二はセレスのそばで暮らすことを許したので、ようやくセレスの怒りもとけ、畑もふたたび麦の穂を出し始めたのです。


この神話の意味は明らかです。穀物神セレスの娘ペルセポネは麦にほかならず、秋に蒔かれて地下に姿を隠し、春先に芽を吹いて地上に戻ってくるという自然の移り変わりが、母娘の物語として語られているのです。


蟹座の支配星としてのセレス

占星術では蟹座を支配するのは月とされ、この定義は不変です。4大小惑星は女神で象徴されているように、女性的な性質を持ちます。そのため月は、セレスと他の3つの小惑星の母型を表しています。

セレスは母としての女性的役割において、月のより特定的な分身です。従ってホロスコープのセレスは、月のみの分析からは得ることができない母の機能についての追加情報を提供します。


蟹座と母性本能の支配者であるセレスは、主に他者を養育し、世話する欲求を象徴しています。この欲望は、母親や父親になることによって最もよく達成されます。セレスのトランジットとプログレスは、妊娠と出産のためのタイマーであり、また受胎、出産プロセス、看護の困難さのタイマーです。

母親の機能の象徴としてホロスコープのセレスは、私たちが子供として受け取り、親として表現した母親の経験の質を記述しています。この養育の提供者は通常、物理的な母親ですが、実際には家族の誰でもなり得ます(父親、祖父母、叔母・叔父、家族の近しい友人など)。

肥沃と農業の女神として、セレスは栄養のある大地の母を擬人化します。幼児の最初の愛と安全の経験は、母親から与えられています。食べ物の形で愛を受け入れることで、子どもは栄養にふさわしいという気持ちが生まれ、それが自尊心の土台になります。幼年期の経験は、成人期の健康的な自己受容の基礎となるため、母親の愛が欠けていると、自己イメージが乏しく自尊心が低い人に成長する可能性があります。

理想的には、母親か養育者によって与えられる愛は、無条件に与えられます。そうでない場合、セレスの位置は、親の愛を受けるために子供がしなければならないことを示しています。

条件に基づいて愛と承認が与えられれば、子どもは自分が愛に値しないと感じるでしょう。この場合子どもは、自分の積極的な衝動を否定することで対処するか、あるいは恐怖と自信喪失に襲われます。いずれにしても子どもの自己主張の発達を妨げます。


またセレスは親子の複雑さの指標です。セレスは母親から秘密裡に子供に移された、未実現の希望、夢、不安、恐怖、幻滅を表しています。これらのメッセージは、言葉や行動ではなく、親と子孫の間で鍛えられた無意識の感情的な絆によって、潜在意識的に伝達されます。この絆は、親のビジョンと願望(または恐怖と不足感)が子供に投影され、子供が自分のものとして服従するような導管として機能します。無意識のうちに陥る親子の共依存関係には注意するべきです。



牡牛座-さそり座の極性の支配星としてのセレス

牡牛座-さそり座の極性の支配星としてセレスは、愛着と分離、死と再生、共有の仕方を学ぶ必要性を示しています。

出生図で目立つ位置にセレスを持つ人の場合、愛する人への愛着や、支持する物や考えを変える必要が、人生の大きな課題になります。おそらく両親は彼らを溺愛したか、所有しようとしました。しかし全体論的な宇宙はつねにバランスを取るよう努めるので、強すぎる愛着は、人を欲望の対象から分離する原因になります。これはセレスとペルセポネの物語そのものです。セレスが決断の自由意思をペルセポネに与えなかったことと、ペルセポネの母親に対する同様の強い愛着が、無意識のうちにペルセポネの誘拐を引き寄せました。

娘と手荒に引き離された後、セレスは人類の命を救う作物の生産性を止めることで報復しました。従ってセレスは、拒絶され、生命を維持する栄養が途絶えた経験を象徴する場合があります。セレスが目立つ位置にあるか、冥王星とアスペクトすると、その人生において分離は延々と続くテーマになる可能性があります。その例としては、死亡、拒絶、放棄、病気による両親の喪失、他の親または国への養子縁組、誘拐、人間関係・ペット・仕事・安全な環境からの分離、などです。

さらに、児童虐待、近親相姦、子供への性的いたずらに対する認識の広がりは、ペルセポネの誘拐とその後のハデスからの暴行に関連しています。実際の損失が生じていなくても、セレス-冥王星の人は、愛する人から拒絶されたり、切り離されたりする恐れがあるため、潜在意識のレベルで悩まされる可能性があります。

神話の中でセレスは、通常の悲嘆の過程を経験しました(衝撃、抑圧、罪悪感、怒り、最後に受け入れ)。従って彼女は、私たち自身の喪失と変化を暗示しています。

セレスの経験で最も重要なステージは怒りでした。怒りは不動の悲しみを振り切る力をもたらします。セレスの影響に打ちひしがれた人は、怒りを表現する健全な手段で開放しましょう。原初療法、生体エネルギー療法、瞑想、または激しい身体運動でさえ、閉塞したエネルギーを打ち破り、正常な生産的活動に戻るのに役立ちます。


ペルセポネの冥界への誘拐は、「放棄と死の恐怖が存在する無意識の闇と恐怖に向けて、私たちがしなければならない効果の隠喩」です。エレウシスの秘儀の教師としてセレスは死のプロセスを完全に理解し、死の恐れを解決する私たちの要求を支配します。セレスの秘密の教えは、死は再生への入口であるということです。新しいものが出現するためには、喪失が必要です。


セレスの娘を誘拐するハデスの過激な行為は、凶悪な行為ではなく、子供に対するセレスの独占を破る上で必要な介入とみることもできます。つまり、ハデスの本質的なメッセージは、セレスが男性と女性のエネルギーの結合体として子孫を共有するよう求めました。セレスとハデスが、娘と妻のペルセポネを分かち合うことに同意したとき、これは本当に実現しました。

ホロスコープで目立つ位置にセレスを持つ人、あるいはセレス‐冥王星の強いアスペクトを持つ人はしばしば、子供の共有に関する生涯学習を経験することになります。子供の支配を強めようとすればするほど、醜い親権争いに巻き込まれます。セレスのトランジットはそのような出来事のタイマーでもあります。

しかし、唯一の穏健な判断はセレスとハデスの例に従うことです。子孫を分かち合いましょう。分かち合いたくないパートナーは次のいずれかの状況を引き寄せます。

・子供への単独の責任を負うが、必要な財政的/感情的支援が不足する。
・子供へのアクセスが完全に拒否される。

同様の方法でセレスは、私たちの精神的な子供、つまり私たちの創造的なアイデア、計画、創造物を分かち合うよう教えます。他の誰かがそれらのお陰で信用を得ることに嫉妬して、それらを守るのは止めなさい、と。


乙女座の支配星としてのセレス

蟹座の支配星としてセレスは、愛と受け入れを伝える手段として食べ物を提供します。すべてを養育するセレスの食べ物は、乙女座の支配星として、肉体の細胞構造を構築、維持、修復する実際の物理的栄養になります。栄養価の高い食べ物は成長を促進し、人間が効率的に働き、機能することを可能にします。これは乙女座の性質です。

乙女座の収穫期にセレスは、命を支える食べ物を生産し、人々に供給します。そのためにセレスは、食物の栽培、流通、調理、提供に携わる職業の指標です。

セレスはまた、食物の治癒的使用を意味します。これは乙女座が健康管理のサインでもあるからです。セレスと乙女座が強調された人は、ビタミン、食餌療法、ハーブを使用する治癒技術に引き付けられます。


セレスは乙女座の表現では、働く能力・許容量を描写しています。セレスは労働者、公共組織、労働組合、労働生産性への関わりを象徴しています。

セレスの極端な怒りから、彼女は土地のすべての生産性を停止しました。そのためにセレスはストライキや、仕事を拒否するほかの表現を支配しています。つまり、出生図か経過図におけるセレスへの挑戦的なアスペクトは、失業や障害、失業保険の受給などを暗示する可能性があります。

その反対に、仕事中毒になる場合もあります。効率的な機能への乙女座の衝動に支配されすぎる人が親になると、両親の役割を一手に引き受けるほど、何でも行える親に変身します。ホロスコープで目立つセレスは、効果的有能な一人親になる可能性を示唆します。

セレスは、失業者か働き中毒の指標になり得るのです。

農業の女神セレスの周期的な性質は、作業と休息の相互作用、つまり植える時期と、畑を休息させ再生させる時期があることを示しています。健全なセレスの表現を持つ人は、労働と癒しの時間を組み合わせる知恵を学びます。


セレス×12サイン

セレス×12ハウス

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