黄道と地平線が交わる東側の点をアセンダントといいます。
黄道は、天頂近くにある子午線との交点｢MC｣を通過して、
ふたたび地平線と西側の点｢ディセンダント｣で交わり、
足下で子午線との交点｢IC｣にたどり着きます。
朝日が昇ると人間の生活が始まり、昼間の最も活動力が盛んな時間に太陽はMCに達します。
そして日が沈み、真夜中に太陽はICを通り過ぎます。
アセンダント･MC･ディセンダント・ICの4点は1日の4つの区切りを表しています。
また、人生にあてはめたときはこの4点は出生期(アセンダント)、育成期(IC)、発展期(ディセンダント)、成功期(MC)、という区切りを象徴しています。
ホロスコープでは地平線と交わるアセンダントとディセンダントを結ぶ軸(地平線軸)と、子午線と交わるMCとICを結ぶ軸(子午線軸)を、人間生活の基礎を形成するふたつの柱とみなしています。
アセンダント―ディセンダント（個人の軸）と、IC―MC（集団につながる軸）に沿って流れをたどると人生の仕組みが見えてきます。
つまりアセンダントの個性がディセンダントでどのように他人に受け入れられるか、ICで育まれた心の土台がMCでの社会活動にどう役立つか、という仕組みが分かるのです。
【アセンダント】
アセンダントは出生時や出生後しばらくの状況、他者から見た個性･外見、物事の始め方、発想の仕方などをあらわします。
大地の外皮である地平線は地上的な肉体の象徴です。それが、生命の象徴である太陽の通り道(黄道)と交わることは、肉体への生命力の流入を意味します。
太陽が真の自我を表すのとは異なり、アセンダントは現世で魂がまとう一時の仮の姿と考えられます。
基本的な生命力は太陽によって示されますが、体質や体形はアセンダントに影響されるのです。
この世に生まれるとは、母胎から飛び出してひとつの個になること。
そのためアセンダントのサインは物事の始め方や発想の仕方など、｢飛び出し方のパターン｣を表しています。そのパターンは一生を通じて影響をおよぼします。
しかしそのパターンは他人が見ると個性と分かるのですが、本人はあまり自覚できません。考えるよりも早く内面で動き出す初期の衝動だからです。
【ディセンダント】
アセンダントの意識が自己に集中するのに対し、ディセンダントの意識は周囲に向けて広がります。
ここはアセンダントで発生した原初的な人格が、他人のいる地球環境の中で人と関わり、人生を発展させていく場所です。
人の可能性は周囲の人に認められることで初めて開花します。ディセンダントは私たちが他人へ期待するものが何であるかを示すのです。
他人とは必ずしも恋愛相手ではありませんが、ディセンダントの影響は一対一での他者との関わり方として現れます。
成長するに従って、ディセンダントのサインに示されるような振る舞い方を表面的な人格として身につける場合も多いでしょう。
また成人後の社会環境や結婚によって得る社会環境を暗示することもあります。
【 IC 】
人間性としての共感や心を育成する IC (Imum Coelli) は、しばしば家庭環境などを示しています。
地平線下に沈んだ黄道と子午線が交わるICは、星が最も沈む点にあたります。
ICはホロスコープの中で最も隠された場所でありながら、宇宙との重要なつながりを経験する場所でもあります。ICを通じて、自分の過去、伝統、そして究極にはすべての創造物の一部であったことの記憶とつながります。
ICは見えない部分で人を支配する潜在意識を表しますが、それは生まれながらに先祖や親から受け継がれた意識であり、あるいは幼少期に体験し心の底に深く残った原体験でもあります。ここには自分だけの弱みやコンプレックスも示されているのです。
しかしコンプレックスがあるからこそ、人は自分を守る基盤を育てようとします。そこでICは自分自身のよりどころ、安住できる環境をも示すのです。
そして隠されたコンプレックスはMCに向かって成長する向上心となり、正反対のMCサインに象徴される理想の自己実現像を生み出すことになるのです。
→ IC×１２サイン
【 MC 】
MC (Medium Coeli) は、社会における自己実現の最終的なイメージを象徴しています。
それは私たちの公共の顔であり、そして社会の中で自分の役割に応じた責任を引き受けていく場所でもあります。
MCは有能な社会人としてのポイントでもあり、個人的な思惑を排除して会社や地域社会に貢献する姿勢でもあります。
MCにあるサインや天体を見ることで、この地球環境で努力した結果として得られる社会的達成状態がわかるのです。
アセンダントが純粋に個人としての外見を示すとすると、MCは社会における外見を示すといってもいいでしょう。より具体的には、肩書きや職種をMCのサインが表しています。
→ MC×１２サイン