蟹座・金星の人の思春期のテーマは「愛するものへの共感」です
その対象は家族・恋人・親友・サークル仲間など、身近な人かもしれません。いつも読んでいる作家や好きな俳優、あるいはペットの場合もあるでしょう。
相手に同化することで相手の内面を理解し、自分の情感を豊かに発達させるのです。
しかし蟹座特有の「愛」や「仲間への共感」を恋人に向けすぎると、相手に合わせて自分の個性を消してしまう可能性があります。
相手によっては「付き合っていても刺激がない」と飽きてしまう人もいるでしょう。
一方で蟹座の人はシャイな性質をもちます。
直前の双子座の個人意識を抑えつけようとするために、気持ちをあからさまに表現することにブレーキがかかるからです。
いつも温かい気持ちをもっていますが、人に心を開くまでには時間がかかります。
そのかわり一度心を許すと、相手を裏切ることはないでしょう。献身的に相手をサポートし、細やかな心配りを見せます。
特に女性は、つつましやかな態度が異性から好まれます。付き合いだすと相手に尽くすタイプなので、良妻賢母型の女性を求める男性からは愛されるでしょう。
他方で、仲間意識を大切にする蟹座の人は異質なものに対する拒絶反応も大きくなります。
初対面の人や異質な価値観をもつ人と一緒の場では、自分が黙り込むか相手をその場から追い出そうとするかのどちらかで、上手くコミュニケーションできません。
異質なものの登場で、仲間の関係や自分の居心地のいい環境が壊れるかもしれないという危機感が働き、つい控えめに意地悪をしたり、無視を決め込んだりするのです。
個性の異なる相手との断絶感を自分から打開する術は、蟹座にはありません。「好きな人は好き。嫌いな人は嫌い。」と決めつけてしまうでしょう。
蟹座・金星の恋愛は、家族のようにひとつに包まれている安心感がなければ成立しません。安らげる温かく居心地のよい場を作り上げ、そこに二人が馴染むよう細かい心配りをするのです。
こうして作られた安らぎのある空間とは自分の心そのものなので、場を乱すものや嫌いなものが土足で入って来ないか常に警戒しています。そして場を守るためには、どんな手厳しい攻撃もいじめもやってのけます。
この「好き」「嫌い」の感情に左右されることの多いあなたは、実は自分の極端な感情の爆発をよくわかっています。
それだけに相手から拒絶されることを恐れるあまり、「いい人」になろうとし過ぎるのです。相手の要求を何でも受け入れて、利用されることに甘んじてしまう。
その結果、相手に認めてもらえず、相手のエスカレートする態度に我慢できなくなると、ブチ切れて、相手の言い分をいっさい聞かなくなります。こうなるとあの温かさは消え去り、自分の感情さえも押し殺し、命令コント口—ル、支配に出ます。
ここに見られるのは家庭内権力闘争のようなもの。本来命令されるのが大嫌いなあなたは、自己防衛のために「やさしさ」「ヒステリ—」という両極端な感情を武器にして戦います。
温かさを失った蟹座・金星の人に必要なことは、恐れずに再び気持ちを解放すること。
何よりもまず自分の感情を抑えたり溜めたりするのはやめることです。それが相手のためであれ、結果的には歪んだ形で相手にぶつけることになり、不毛な争いを引き起こして二人の関係を不安定にし、幸せな「愛の家」を遠ざけます。
自分を抑えたり相手を支配したりするのでなく、お互いの感情を温かく見守ることです。さらに弱くて心配性な自分の気持ちを隠さずに相手に伝えていくことで、相手も責任を感じて、一緒にやっていこうと自立しはじめます。
逆行の蟹座・金星の場合は、愛情が身内に向けられやすく、異性の親や兄弟姉妹を異性として意識し、恋愛感情を抱くことがあります。
〔蟹座・金星の、太陽期(26才~35才)への移行〕
☆太陽が牡牛座の人
親しい人に対する愛情や優しさを表す蟹座に対し、牡牛座には他者に対する意識があまりありません。どちらかというと人よりもモノに関心が出てくるでしょう。
金星期には常に恋人や友人と連絡を取り合って一緒に行動していたのに、太陽期に入ると一人でできる趣味に没頭しそうです。
そんな風に変化する原因は人それぞれですが、稀には自閉的に引きこもる人もいます。
概してはしっかり者の人柄に変わります。実用的な能力は高まるため、職場での評価は上がるでしょう。
☆太陽が双子座の人
金星期までの身内同然の人たちとの付き合いを少なくして、自分個人を主張するようになってきます。
職場の同僚や友達とも、対人関係で深入りすると結果的に身動きが取れなくなるので、浅く広く付き合うスタイルに変わるでしょう。
いろいろなことに興味を持ってはじめますが、飽きるのも早いかもしれません。
付き合いは悪くなりますが、自由な生活は得られます。
☆太陽が蟹座の人
金星期と同様に、家族や仲間を大切にして、比較的狭い世界で生きていくでしょう。
居心地のいい会社やサークルに属している人は、そのままその環境で穏やかに日々を過ごします。
尊敬できる恋人に出会って、早々と結婚する人もいるでしょう。
なじんだ環境の中で感受性をさらに深め、内面を豊かに育んでいきます。
☆太陽が獅子座の人
太陽期に入ると、それまでの受動的な生き方がつまらなく思えてきます。「もっと楽しさや感動にあふれた人生を生きたい」と考えるようになるのです。
金星期に深めた自分の情緒を、太陽期には外の世界へアピールするようになるでしょう。
ダンス教室やテニススクールなど、まったく知らない人と活動する場に参加すると新しい世界が開けていきます。
最初は周りの人の無理解さに戸惑うかもしれませんが、積極性を忘れなければ、あなたが望む躍動感あふれる人生になっていきます。
☆太陽が乙女座の人
金星期にはデリケートな情緒性を発達させたため、他人の無神経な言葉に傷ついたこともあるでしょう。
太陽期には誰からも攻撃されないように実用的な能力を高めようとします。完璧に行動することで自分を守ろうとするのです。
職場では有能な社員になって、上司から怒られない存在になろうとします。
気配り上手で秘書的な実務能力が高いので、女性の場合は結婚して家庭に入る方が精神的に落ち着くでしょう。