1781年の天王星の発見により、土星以遠の天体の存在が知られるようになりました。
占星術では新しい天体発見されたとき、天体の意味をその時代精神と重ね合わせます。
1781年に天王星が発見されて間もなく、フランス革命やアメリカ独立戦争が起こりました。そこで天王星に与えられた意味は、新しい変化を求める革命的精神となりました。
天王星は占星術においても、古典体系の占星術から新しい時代の占星術への変化を起こしたのです。
実は、東日本大震災の翌日2011年3月12日午前10時頃に、石巻市では天王星が魚座から牡羊座に移っています。(上は震災発生時。下は震災翌日午前10時。)
魚座から牡羊座への切り替えは、人々に新しい意識(牡羊座)への革命的変化(天王星)を促したといえるでしょう。
天王星は1つのサインに約7年間とどまり、84年をかけて一回転します。人間の平均寿命が延びた現代では、人の一生とほぼ同じ公転周期の天王星の影響は意識化されつつあります。
天王星が追い求める進取の気性を、目に見える世界の限界点である土星が受け取り一般化するペースも速まっています。未来にはどんな社会がくるか、おおかた予想することもできやすくなっているのです。
天王星は未来へ牽引する力であり、さらに遠く隔たる海王星・冥王星よりは身近に感じられる天体といえます。
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牡羊座 | 牡牛座 | 双子座 | 蟹座 |
獅子座 | 乙女座 | 天秤座 | さそり座 |
射手座 | 山羊座 | 水瓶座 | 魚座 |
過去のこの時代には新しい革命的指導者が現れ、多くの植民地が独立を求めたり、独裁者によるファシズムが台頭しました。
この天王星をもつ人々は、既成の支配体制にとらわれることなく、自分たちの主張を実現させるために、古い世代と戦う意識を持つ扇動者となるでしょう。
それらを踏まえると、2015年の安全保障関連法の成立は牡羊座・天王星の性質と相通ずるところがあります(山羊座・冥王星の時代であることとも関係しています)。
より個人的なレベルでは、社会常識を無視する身勝手さとなって現れる場合もあります。
強い独立志向と独創的なアイデアをもち、新しいことを大胆にはじめます。
人に対しても自分と同じように大胆であることを望むので、結果として放任主義になりやすいでしょう。
非常に性急で、個人的自由を得るためには強引な行動も辞さない極端さが見受けられます。
また工業的センスに優れ、発明好きの傾向もあります。
人生の転機においては、前代未聞の新しい発想が強烈なインスピレーションとして頭脳に流れ込むような体験をするでしょう。
過去のこの時代には大恐慌のあとで、金銭感覚や物質的価値に変革が起こりました。
経済の行き詰まりは、結果的に第2次世界大戦を引き起こしました。
次に天王星が牡牛座に位置するのは2018年頃からです。この時代にも金銭や経済の果たす役割は大きく変化するでしょう。
この世代の人々は金銭や財産に関して新しい意識を持ち、新しい考え方を抵抗なく受け入れてきました。
より個人的なレベルでは、強情なまでの慎重さや計算高さとなって現れる場合もあります。
独自の経済的センスが発達しており、あっと驚く方法で財をなす可能性もあるでしょう。
ただし人生の転機においては、経済的損失を伴う変動が起こるかもしれません。
また遺伝的に感覚のどれかが鋭敏だったり、特殊な性質を帯びている人もいます。それらを分析してみることが自分の可能性を探る近道となります。
双子座に天王星がとどまっていたのは、第2次世界大戦を経て、戦争が終結し新たな時代が始まった時期にあたります。
双子座は二重のサインであり、常に世界の二元的な性質を意識します。
天王星が双子座を通るときに世界が目にしたのは、新しいテクノロジーがもたらす恩恵と、核戦争がもたらした壊滅的な破壊の両方でした。
双子座の天王星をもつ人々は通信や電子機器における革新を進展させ、新技術との特別なつながりを持っています。
より個人的なレベルでは、新しい情報やコミュニケーションを求める気持ちが強く、新しい考え方をすぐに受け入れるでしょう。個人的感情や社会通念から意識を解放して、純粋な形で知性を用いる才能が秘められているのです。
また生活技術に精通するため、野山でのサバイバルを想定した生活を楽しむ人も多いでしょう。
教育・言語・コミュニケーションの能力も発達しますが、遊び感覚ばかりが先行してしまい、自己表現においてはわざと変わった癖を出す傾向があります。
人生の転機においては、誰かが発したウィットに富んだ言葉や格言がカギとなるでしょう。
蟹座を天王星が通過した戦後の時代は、祖国や故郷への意識、家庭の在り方や社会における女性の役割が大きく変わった時期でもあります。
人々の無意識の中で、封建的な家庭や親子関係から解放されたいと望む気持ちが強まりました。
核家族や単身赴任による別居生活が一般化し、母親や家族の意味が問われはじめたのもこの頃です。
戦争の間労働力の一員となった女性にとって、主婦や母としての以前の役割に戻ることはもはや満足できる生き方と思われなくなりました。働く母親が一般化したのはだいぶ後のことですが、変化はこの時代に始まったのです。
家族の在り方が変わることで生活習慣や家事習慣も変化し、男性が家事や育児に参加したり、家族の役割が変化しはじめました。
より個人的なレベルでは、蟹座・天王星をもつ人は家族の在り方へ変革をもたらそうという意志を秘めています。その気持ちは実際には家族からの離反という形で現れることが多いでしょう。
自分の独立性を維持しようとするため、家庭生活や結婚生活は変則的で、わざわざ変わった生活方針をとる傾向があります。
個性的な家づくりに凝るか、逆に画一的で所有心を刺激しない公団住宅のような場所に住むか両極端になりがちです。
人生の転機において、家庭の崩壊を伴うケースもあります。
獅子座に天王星がとどまっていた時代には、古い権力や支配体制に縛られない新しい政治を目指そうとする改革が行われました。
既成の権力体制に反抗した政治運動や学生運動を広め、階級差別をなくして個人の権利を主張しはじめたのがこの世代です。
またこの世代は他の世代に比べて想像力にあふれ、快楽的な一面を強くもちます。
さまざまな娯楽が大衆に広まり、ファッションや娯楽を通じて人々は自己の個性を主張しようとしました。
彼らが成年に達しはじめた頃、日本では「竹の子族」に象徴されるような奇抜な若者文化が生まれ、アメリカでは「ミー(Me)の時代」の個人的な生き方が尊重されました。
この世代の人々は独創性にあふれ、ある種のリーダー的な立場につく人もいます。
一方で自分を支配する者には向こう見ずに反抗するため、支配組織の中では変人ぶりばかりが暴走する場合もあります。
思ったことをそのまま言葉にすることに抵抗感があるため、なんらかの工夫を加えて表現しようとします。
また自分なりの人生観や個性を貫きたいという欲求から、いきなり他者との関係を切り離したり、冷淡な態度をとって周囲を驚かせることがあります。
乙女座に天王星がとどまっていた時代は、それまでの仕事や雇用関係に対する人々の意識が大きく変わった時期にあたります。
乙女座の目的は、人々の生活の質を改善するために足りないものを補い、努力を惜しまず、検討を重ね、正しく判別することにあります。
乙女座の天王星の世代は、他者にもこの天体のどちらにも、異なった貢献の仕方を見つけ出しました。
この時代には、終身雇用制で職場に勤めていた人々が転職によって自由に職場を変える習慣が生まれました。またパートタイムや一時契約などの雇用関係が生まれました。自由業や職を持たない人々、職場から再び学校に戻る人々なども現れました。
つまりこの時代には、仕事は社会に対する義務や責任ではなく、個人の生きがいや自己主張といった意味合いを持ち始めたのです。
また1962年から1968年の乙女座天王星世代の多くは乙女座・冥王星との合を経験しています。
乙女座・冥王星との合は乙女座・天王星のエネルギーを強め、彼らに破壊的で変容を余儀なくさせる要素をもたらしました。乙女座・天王星世代が中高生になった頃、学校には校内暴力が横行し、尾崎豊の歌に象徴されるような不良文化が生まれました。
より個人的なレベルでは、乙女座・天王星世代は職場の必要性に応じて実用的な発想を引き出せる能力を秘めています。その能力は自由な仕事環境であるほど発揮されるでしょう。
またパソコンを使った事務処理が得意で、コンピューター分野や医療分野で活躍する人が多い傾向もあります。
人生の転機においては、職場を変えたり病気になったりする場合があります。
天秤座に天王星がとどまっていた時代には結婚や家族関係についての意識が大きく変わりました。
天秤座の天王星は、何があっても人間関係に調和を維持しなければならないという考えを打ち壊しました。
そしてその考えを、最高度の幸せに貢献しない関係性に留まる必要はないという考え方に置き換えていきました。
離婚が日常の出来事の一部に変わりはじめていた頃、制度としての結婚は天秤座・天王星によって強烈な打撃を受けたのです。
この時代、結婚観は多様化し家族関係は複雑になりました。結婚して初めて社会的に一人前、という古い考え方は薄らいでいきました。
より個人的なレベルでは、互いの個性や自由を尊重した新しい対人関係の在り方を模索しようとします。
一般的な対人関係のルールの無意味さをよく知っているので、かなり特殊なタイプの人や、多くの人が避けて通るような人とも忠実につきあえる資質をもちます。
また結婚関係に改革をもたらそうとする意志が潜んでいるため、夫婦別姓や別居婚などを試みる人もいるでしょう。
人生の転機は、結婚・離婚など人間関係の大きな変化によってもたらされるようです。
さそり座に天王星がとどまっていた時代にはそれまでの倫理やタブーに関する意識が変わりはじめました。
この時代、人間の命や死の金銭的な価値が問題になったり、死を選ぶ権利が主張され、命や死への価値観が多様化しました。
個人的なレベルでは、他の世代の人々に比べてオカルトに興味をもつ傾向があります。実際に霊的な能力や超能力など、数奇な体験をする場合も多いでしょう。
誰かの死や臨死体験などにより、人格が変わるほどの変化を経験する人もいます。財産を放棄して人生をやり直すケースも見られます。
他者への愛着の持ち方がありきたりではなく、しばしば衝動的な感情の興奮がやってきます。風変わりな人物や物事に極度に熱中して自分を変えようとする傾向もあります。
また、独立心を犠牲にすることでより大きな独立心が育つ場合が多いでしょう。
自分の感情を他人ごとのように突き放して観察できる客観性があり、ここから心理学的な研究の適性があらわれます。
精神的な伝統などを引き継ぐ傾向が強く、精神的な絆ができると離れにくくなります。そのため友人関係は一生続くことが多くなります。
射手座に天王星がとどまっていた時代には、国境はもはや今までのような意味を持たなくなり、交通手段や情報伝達に新しい革命が起こりました。
新しい国が独立したり、新たに紛争を始めた国があらわれ、世界は大きく変わりました。
この世代の人々は国や政治にしばられることなく、自由な視点から世界を眺め政治や文化を考えはじめるでしょう。
また、コンピューターの大衆化の大きな恩恵によって、射手座の天王星は高等教育に革新や向上をもたらしました。
より個人的なレベルでは、抽象的な概念を理解する才能があり、特定の社会思想にはごまかされません。
常識のウソを見抜き、自分で考えて判断することを大切にします。
革新的な思想が実際にも世の中の変革に役立つと信じ、自分の考え方も常に刷新していきます。
海外旅行や宗教・新思想などによって人生観を転換する人が多く、人生の転機においては海外移住を試みる人もいるでしょう。
天王星が山羊座を通過するとき、政治のみならず企業や産業を含む社会制度が混乱します。そして社会は全く異なる観点から物事を考え始めます。
山羊座の天王星がこれらの制度に対して革命的変化を必ずしも引き起こすわけではありませんが、社会制度の基盤の最初の亀裂を作り出します。
日本では国鉄民営化が実施され、1987年4月にJRが発足しました。鉄道民営化の動きはその後ドイツ・イギリスなどヨーロッパ諸国に波及しました。
また1988年に消費税法が成立し、1989年4月に消費税法が税率3%で施行されました。
山羊座の天王星は、一部の者にとって利益になるだけの政策や法律に対して改革を進めました。
より個人的なレベルでは、社会性や実用性の範囲内で天王星の改革力が働きます。
会社など実利的な組織の改革においてリーダーシップを発揮できるでしょう。
また仕事や経済に対して独自の価値観と方法論をもち、新興産業において起業を試みる人も少なくありません。その場合、起業がそのまま人生の一大転機となります。
水瓶座の天王星は、社会的な面や人道主義の面において、世界規模の大変動を引き起こしていく可能性をもちます。
1913年から1929年頃までの間には、第一次世界大戦やロシア革命によって、社会は根本的な変化を目のあたりにしました。これらの戦争や革命は自由と平等の名の下に行われました。
水瓶座の天王星は、理想の社会という考え方と関連しています。行き詰まった物事の問題点を指摘し、新しい変化をもたらすために発想を転換する斬新さをもつのがこの時代の人々です。
天王星が水瓶座にとどまった最近の時期には、コンピューターとインターネットを通して、全く新しいコミュニティが形作られました。
フェイスブックやmixiがはじまったのは2004年頃からですが、その原型となるソーシャル・ネットワーキング・サービスは、SixDegrees.com(1997年)、Friendster(2002年)、MySpaceとLinkedIn(2003年)というように、水瓶座・天王星の時期に出来ていたのです。
個人的なレベルでは、常識にとらわれない発想力に長け、個人の自由が尊重される社会を作るための先進的なアイデアが豊富に湧いてくるでしょう。ただし、先進的すぎて周囲からは理解されない傾向もあります。
また、他人の個人的な事柄には干渉せず、他人のわがままさを非難することもありません。
こうした自由な考えで人と関わり合うので、ときには伝統的な世界観をもつ人とぶつかることがあります。
過去に魚座が天王星にとどまっていた時代(1920-1927)は第一次世界大戦の後で、その損失に対処する方法を霊的指導者の導きに求める動きが起こりました。
新興宗教や新しい精神世界運動、あるいは芸術運動が生まれたのです。
2003年から2011年2月頃までの間にはテレビ番組『オーラの泉』を火付け役とするスピリチュアルブームが起きました。
これは2011年3月の東日本大震災と時期的には前後しますが、人々が大きな変化を受け入れるだけの精神的土壌を作ったとも考えられます。少なくとも、2011年4月に海王星が魚座に入る流れの前兆となりました。
魚座の天王星をもつ人々は物質よりも精神性を求める気持ちが強いでしょう。それまでの世代が気づかなかった霊的な物事を大事にしようとし、意識世界での革命をもたらす可能性があります。
より個人的なレベルでは、偶発性や縁に導かれる漂うような生き方に新しい可能性を求めます。
物事を言語化せずに直接知覚する能力に恵まれますが、これを日常生活に生かすことは難しいでしょう。
シュールな芸術センスをもち、写真や映像分野などで才能を発揮する人もいます。
また純粋な資質の共鳴によって人との縁ができるため、一見似つかわしくない相手と風変わりな交友関係を作りやすい傾向があります。