山羊座は実際的な思考力や行動力をもち、私たちの社会のもつ地域性や習慣に順応して生きようとする、常識的なサインです。
もしも自分が属する社会に矛盾があったとしても、それを改善するよりもまず、そこに生きている以上は順応して生きようとします。
そのためには自分の個人的な感情を抑えなくてはなりません。
山羊座・金星の人は神話的な父親像をイメージして、それに従って生きるかのように自己抑圧的になります。
恋愛では地味ながらも誠実で責任感のある確実な愛情を好みます。真剣であればあるほど、控えめで用心深く、時に堅すぎるぐらい生真面目に考えます。
異性からも真面目で堅そうな人だなと思われているでしょう。
自分でもつい大人っぽい振る舞いをしてしまい、相手に甘えたり、相手の前ではしゃいだりするのは苦手です。なかなか好意が伝わらずに、片思いを続けることもあります。
うまくいって付き合いだしてからも、羽目を外してみっともない行動をとるのがイヤなので、デート中もなんとなく他人行儀。相手からは楽しくないのかなと思われてしまいます。
また特に女性の場合は、恋愛イコール結婚と考えがちです。
隙のないその外見からはわかりませんが、内側に熱い欲望を隠し持っています。しかし自分の内面をさらけ出すことには羞恥心と恐怖があり、感情や官能を抑圧してしまうのです。
相手が本当に信じられるか用心深く確かめようとする結果、信用できない相手には深入りしません。なぜならこの人は自分の時間と労力を無駄に使うのが一番嫌いだからです。そして相手の誠実度や信頼を見極めるのに、経済状況や過去の経歴を重要視します。
そのために男女ともに、経験を重ねたかなり年上の異性とうまくいきやすいのです。
つまり山羊座・金星にとっての恋愛は、楽しむ以上に安定や安心を手に入れるための過程なのです。
そこまでして安定を手に入れようとするのは、未来が確実なレ—ルの上にないと今を楽しむことができないと思い込んでいるから。未来は不安だらけという過剰な心配癖が原因です。失敗したときに、親や恋人、社会から負け犬の烙印を押されるのを異常に恐れるのです。
また誰かからの大きな保護がないと生きていけない、という依存的不安も抱えています。相手がしっかりしていないことには落ちついて生活できず、相手の不安や弱音、否定的感情を見せられるとウンザリします。
でも支えたり育てたりするのは面倒。自分に厳しく他人にも厳しいので相手を叱咤し、ついには突き放してしまいます。
安全な器作りにばかり努力していると、人生の中身が空っぽであることの虚しさ、更なる不安の増大は避けられません。
憂鬱な感情にとらわれた山羊座の人に必要なものはまず、「生きがい」という目標を持つこと。誰かに感情的経済的に依存することをやめ、自分の理想や信念から自分の運命を切り開いていくことが大切です。世界はもっと広く、自分が「井の中の蛙」であると認識すると、現状に甘んじることなく自分の「生きがい」のために努力し続けられます。
また恋愛関係の中で自分の感情をしっかり観察し、揺れ動く感情の扱いに慣れることも大切です。そして相手の感情には共感という思いやりを、相手の現実にはあなたの合理的な知性でサポートを。
実績や結果という過去には囚われ過ぎないように。「未来が不確かだから過去に執着する」という構図をやめましょう。時計は常に明るい未来へと流れていくものであり、過去を蓄積するものではありません。こうして山羊座の人が心の平穏を手に入れたとき、はじめて自分と相手を慈しみ愛することができます。
そんな山羊座・金星の人が陥りがちなワナは、いつも自分の気持ちを抑えていることから、ストレスが溜まりやすいことです。
抑圧的な自分に嫌気がさして、反動的な行動に出てしまうのです。
アルコールが入ると別人のようになって周囲の人に絡み出したり、会社の上司と一夜の過ちで関係を持って、そのまま不倫の恋にハマったり。
ストレスの多い環境で仕事をしていると反動が出やすいので、リラックスして生活を楽しむ余裕を持ちましょう。
逆行の山羊座・金星の場合は、愛情を抑える傾向が強まり、ひとつの愛情をずっと心に持ち続けます。
〔山羊座・金星の、太陽期(26才~35才)への移行〕
☆太陽がさそり座の人
常識的な金星期を送った人も、太陽期には感情が渦巻くような深い体験をするようになります。
感情を抑え気味で情緒性の乏しい山羊座に対して、さそり座は深い情念を物語るサイン。太陽期に入ってからの恋愛は、激しい愛憎を伴う生々しいものになるかもしれません。
それまで感じたこともなかった深い執着心や嫉妬心にどう対応するかが問題です。
影響が仕事に出ると、自分の得意分野での集中度が高まり、プロフェッショナルとして一目置かれる存在となります。
他の人に対して威圧的になりがちなので、注意が必要です。
☆太陽が射手座の人
金星期には役に立つことを積極的に吸収してきましたが、太陽期には精神的な遊びを楽しむ余裕が生まれます。
興味のあることは何でもチャレンジしたくなり、躍動的な人生を送るようになります。
金星期と比べると自分の行動に無駄が増えたような気がしますが、それはよい変化です。
付き合う友達や恋人もバラエティーに富んだおもしろいタイプが増えてきます。
☆太陽が山羊座の人
金星も太陽も山羊座の人は十代で出来たイメージのまま三十代の半ばまで過ごすでしょう。
太陽期に入るとよりいっそう野心的に仕事をする人になるかもしれません。
山羊座は社会的な役割をきちんと果たすサインなので、主婦の役割をこなすことも山羊座の作業です。
山羊座の支配星土星は個人的なやりたいことを象徴する太陽の意志を、自ら抑止し社会的に適応させようとする意志をあらわします。
26才から35才までは好きなことをするという行為そのものに、どこか後ろめたさを感じるでしょう。
☆太陽が水瓶座の人
金星期には常識の枠内で堅実な生き方をしてきましたが、太陽期になるとそういう生き方に飽きてしまいます。
周囲の目を気にしないで好きなようにのびのびと生きるようになるでしょう。
先生や上司の言うことをよく聞く優等生が、突然自分の意見を主張し反抗的になるなど、変化は劇的かもしれません。
今まで抱いてきた尊敬する人のイメージは虚像だったと感じる人もいます。
付き合うタイプの幅が広がり、洋服のセンスや化粧がガラリと変わる人もいるでしょう。
☆太陽が魚座の人
真面目で大人しいタイプだった金星期から太陽期に移っても、基本的には大きな変化はありません。
しかし他人に対して忠告したり指示したりする傾向があった人は、押しつけがましさがなくなります。自らを律していた自己抑制感も弱まっていくのを感じるはずです。
決まりきった人生スタイルに従うよりも、虚飾を捨てて感じるままに生きようとするでしょう。
人に対する同情心も強くなるので、人から好かれやすくなります。