さそり座は特定の対象との関わりをずっと深めていくことで、自分を根本から変容させていこうとするサインです。本来は人に限らないさそり座の対象は金星では異性である場合が多いでしょう。
これは相手との関係のなかで生まれながらの自分をいったん死滅させ、もう一度新しい自分に生まれ変わるということです。
天秤座の人間関係は複数の相手と付き合うことで相手の影響力を平均化しますが、さそり座の場合は、何が正しくてどこが境界なのかもわからないところまで、徹底して相手に深入りしていくのです。
そこにはプライバシーなど存在しません。
本当に好きな相手を見つけると、盲目的に愛します。人知れず相手好みの人物になろうと努力するいじましさもありますが、内気なので片思いを続けてしまう人もいます。
さそり座の人はしつこいとか執念深いとかよく言われます。
その理由は、相手との関係のなかで自己改造をはじめたら、結果が出るまではその意志を放棄できないからです。
放棄できないとはいえ、相手の気持ちが変わるかもわからないし、状況がどう変化するかは誰にもわかりません。恋愛の途中で取り残された場合は、変化の途中で止まってしまった状態となるので、あとには怨念しか残らない、ということにもなります。
そんなさそり座・金星の陥りやすいワナは、相手との関わり方が深くなるにつれて、コミュニケーションの加減がわからなくなること。
相手との関係を深く追求するためには、相手を拘束するような強い力を発揮する必要があります。この支配力は危機的な状況になればなるほどより力を発揮するので、さそり座の恋愛は極端なものになりやすいのです。
時には相手への執着心から、ストーカーまがいの異常な行動に走るケースもあります。
また相手との生活にどっぷりで、自分の自由も完全に失ってしまうことがあります。恋人が出来ると途端に友だち付き合いが悪くなったりするのです。
運命的な出会いを待ち望むさそり座の人にとって、恋愛は実は付き合いはじめてからが大変。拒絶反応は起こるし、感情的違和感はあるしで、自我を保っていられず変化を余儀なくされます。
しかし自分を変容させてまで愛し愛されることの喜びを得るという性質が、相手と引き離されることへの極度の恐れを生み出します。「浮気をしているのではないか」と疑惑の念が湧き起こり、見えない相手への嫉妬に苦しみます。
また相手の心変わりを許さないさそり座の人は、相手から不当な扱いを受けたとき、愛は容易に憎しみに変わり復讐の鬼と化して相手を破滅に追い込もうとするでしよう。
さそり座の人は、変態する生物のように、自分が執着しているすべての感情を手放し、脱皮していく必要があります。自分を守っていた感情という表皮を剥がすのですから、かなりの苦痛を伴います。
変化の過程においては、すべてを知りたいと思っても相手の過去にまで深入りしないことが大切です。過去は相手にとっても変えられないのです。それよりも現在の相手を心の底から信頼し、これから先の未来を考えていきましょう。そして一方的な思い込みで二人の在り方を決めるのではなく、相手にきちんと相談して意見を求めること。たとえ自分のイメージと違うものが提案されたとしても、それを取り入れることで共有感覚が生まれ、相手と一緒だからこそ新しい自分になれるのです。
こうして相手の感情と考え方を尊重し自分の重苦しい感情を手放すことにより、あなたは鎖に縛られた古い自分から解放されます。これが脱皮です。
このように相手(対象)との関わり方が難しいのですが、恋愛にも仕事にも熱中できないまま生きていると、投げやりで無気力な人になります。恋愛に限らなくとも取り組むべき対象を見つけましょう。
逆行のさそり座・金星の場合は、強い禁欲主義になりがちです。あるいは倒錯的な愛情に惹かれるでしょう。
〔さそり座・金星の、太陽期(26才~35才)への移行〕
☆太陽が乙女座の人
さそり座は他人との関わりによって変わろうとしますが、乙女座は自分ひとりの努力によって変わろうとする違いがあります。
金星期には人との付き合いに時間を割いていた人も、太陽期には資格取得の講座に通うなど、自分一人で能力に磨きをかける活動が多くなります。
結果的に人との付き合いは悪くなりますが、実際的な能力は高まるでしょう。
☆太陽が天秤座の人
金星期にはごく少数の親友と行動したり、クラブ活動などに夢中になっていました。
相手を拘束したりされたりで、他のことを考える余裕はなかったでしょう。
太陽期にはそういう生活が息苦しくなり、適度な距離をもっていろんな人に関わるようになります。
自分の考えを相手に押しつけるクセもなくなり、友達の数も増えるでしょう。
☆太陽がさそり座の人
金星期に引き続き、太陽期も特定の相手や組織にはまったまま生きていくはずです。
太陽期には人になつきやすい性格を生かして、上司やグループリーダーなど、尊敬できる誰かと特に親しくなるでしょう。その相手はかけがえのない人物になる可能性があります。
ただ相手に深入りしすぎると、相手が自分と違うタイプの人だった場合は、付き合い方のバランスが崩れて関係が崩壊することもあります。
相手のタイプによっては、適度なところで関わりをとめておくことも必要です。不倫などの不幸な恋に嵌まらないように。
☆太陽が射手座の人
金星期には、特定の相手に深入りする分、相手の影響を受けて依存的に生きてきました。
太陽期にはこういう関係が息苦しくなり、もっと自由に生きようとします。
金星期に集団活動をしていた人は、太陽期には一人旅を好むようになったり、しがらみの少ない仕事に転職したり変わるでしょう。
必然的につき合う相手も、すがすがしいタイプに変わってくるでしょう。
☆太陽が山羊座の人
金星期には関わる相手の価値観に縛られていましたが、太陽期には特殊な価値観や活動を嫌うようになります。
社会の一般的な価値観に基づく活動に意義を見出すようになるでしょう。
職場としても、社会的に認められた場を選ぶようになります。
しっかりした組織に属して真面目に働くと、評価は確実に高まるでしょう。