※ハウスとその支配星を知るには出生時刻が必要です。
ホロスコープでは、12のハウスに対して天体は10しかないため、天体が不在のハウスが必ずあります。では、天体が不在のハウスの活動はどのように解釈するのでしょうか。
それを示しているのが、ハウスカスプが位置するサインの支配星です。支配星は、支配するサインの性質に似た働きをもつ天体です。支配星がどのハウスに入るかで、ハウスの活動に大きな違いが出てきます。たとえば、結婚相手を表す第7ハウスの支配星が仕事を表す第6ハウスに入る場合は、結婚相手と共に働くことになるでしょう。
支配星 | 支配するサイン | |
---|---|---|
太陽 | 獅子座 | |
月 | 蟹座 | |
水星 | 双子座 | 乙女座 |
金星 | 牡牛座 | 天秤座 |
火星 | 牡羊座 | |
木星 | 射手座 | |
土星 | 山羊座 | |
天王星 | 水瓶座 | |
海王星 | 魚座 | |
冥王星 | さそり座 |
サインは空間的イメージであり、個人の雰囲気を条件づけるものです。サインの側から主体的に何かをするということは不可能です。しかし動かない以上、基準となることができます。
一方で、天体は時間的イメージです。すると、動かないサインの特質を、生きた活動の形に変換したものが、支配星となります。支配星はサインの活動力を導き出すための出先機関なのです。天体はもとのサインやハウスのポテンシャルを、支配星という現在の活動に使うことで、生きた充実感を味わうことになります。
下のホロスコープを例に、支配星の流れを追ってみます。
第4ハウスのカスプ(境界線)は魚座にあり、第4ハウスの途中からサインが牡羊座に変化するケースです。魚座の支配星は海王星で、海王星は第1ハウスにあります。牡羊座の支配星は火星で、火星は第7ハウスにあります。
この場合、若い頃は第4ハウスから第1ハウスへ支配星のエネルギーが流れています。年をとるにしたがって、第4ハウスから第7ハウスへとエネルギーが流れるようになります。
第4ハウスは家庭や家族をあらわします。心理的に落ち着ける場所、と言いかえても良いでしょう。
第4ハウスの支配星が第1ハウスにある時は、両親や家系の影響が人格形成に大きく関わっています。それが時間の経過とともに、第4ハウスの支配星が第7ハウスに移ると、仕事のパートナーや結婚相手に心の落ち着きを求めるようになります。
このように、ひとつのハウスの中でのサインの推移は、サインが変わるだけでなく、支配星が大きくジャンプすることが多いので、価値観が変化することも多いのです。
同じハウスにサインが2つ以上ある場合は、それぞれのサインの支配星の流れを追う必要があります。多くの場合、後にくるサインのほうが、後天的に支配力を増すことになります。逆にいうと、根本的な性質を支配しているのは、ハウスカスプのサインとなります。
下にリンクした各ページの説明には、それぞれの配置をもつ有名人の例が挙げられています。例に挙げられている有名人は、出生時刻が公表されている人から選びました。氏名の後に書かれているサイン名はハウスカスプのあるサインを表します。
たとえば、「第1ハウスの支配星が第12ハウスに入る」の有名人の例に「長嶋茂雄(牡羊座)」とあれば、第1ハウスのカスプが牡羊座にあり、第1ハウスの支配星が火星で、火星が第12ハウスに入ることを意味します。ハウスカスプのサインが分かれば支配星は自動的に導き出されるため、支配星の名前は省略しています。