竹内結子さんは去年(2020年)の9月27日に亡くなられました。
自殺といわれています。
なぜ、自殺をしたのか?
ホロスコープを解読しました (今回は長いです)。
私にとってホロスコープ解読にはハウスが不可欠ですが、竹内さんは出生時刻が公表されていませんので、予想しました。
ちなみに正午のホロスコープはこちらです。
このホロスコープを見ながらハウスを予想するわけですが、判断材料がなかなか見つからず、無理かな?と諦めかけたところ、有名人データベース(以下”データ”と略)に次のような記載を見つけました。
・引っ越しが好き。1年に1回ペースで引っ越す。
これを手掛かりに4ハウス(家をあらわす)のカスプ(IC)を双子座(移動や複数をあらわす)にしました。
実際にICを双子座にするには、正午のホロスコープから7、8時間さかのぼれば良いかなと思い、まず朝5時のホロスコープを作りました。
たしかにICは双子座になりましたが、ギリギリすぎて4ハウスはほぼ蟹座になっています。
毎年引越しする人の4ハウスとしては、やや物足りない。
そこでもう1時間さかのぼって朝4時のホロスコープを作りました。
ICが双子座の真ん中あたりにきました。
その他の天体・感受点も矛盾はなさそうなので(後述)、これを予想としました。
予想の信ぴょう性は、あとのホロスコープ解読で重要になりますので、長くなりますが丹念に検証します。
ICを双子座にすると自動的に、MCは射手座になります。
私の竹内結子さんの印象は「世界ウルルン滞在記」で、スイスにホームステイした内容でした(ほかに彼女を目にしたのは色々なCMで、役者としての彼女はほぼ見ていません)。
そのほか、アメリカのドラマに出演したこともネットニュースで知り、印象に残っています。
翌2009年(平成21年)には、アメリカABC制作のテレビドラマ『フラッシュフォワード』に出演した。(ウィキペディア)
MCは社会的な到達点を示す感受点です。
射手座は海外を表します。
つまり竹内さんは、海外での仕事に縁がある。
鶴瓶の家族に乾杯スペシャル「竹内結子 ニューカレドニア」(2014年8月11日、NHK総合)(ウィキペディア)
これは笑福亭鶴瓶が有名ゲストと一緒に日本各地を旅し、現地の家族とふれあう番組です。
しかし竹内さんの回は例外的に、ニューカレドニアに行っており、特殊でした。
これもMC射手座らしいですね。
もちろん竹内さんの主な活動は、国内での俳優業です。
このときMC射手座は、テレビ・ラジオなどのメディアと読めます。
10ハウスにある海王星は芸能界などの水商売(浮き沈みの激しい不安定な仕事全般)を表すのでしょう。
・テレビの仕事を始めた後で風俗のスカウトに声をかけられた事がある。(データ)
射手座を原型とするハウスは9ハウスで、彼女の9ハウスにはさそり座の天王星があります。
天王星はテレビを表すため、彼女にふさわしい。
天王星はまた、“友達”を意味する天体です。
一方でさそり座は、嫉妬深さで知られるように、一人を愛するサイン。
竹内結子さんのインスタは、親友であるイモトアヤコさん一人をフォローしています。
なぜイモトさんかというと、彼女が海外で冒険する番組で活躍したから(9ハウスは海外旅行、冒険を表す)。
そして世界の中でもとりわけ極端な場所、極地を冒険した人物だからです(さそり座は極端さを表す)。
下の記事をみると、イモトアヤコさんが南極を冒険した際、インスタントラーメンや手紙を届けるなどして友情を深めた様子が分かります。
竹内結子さんの自殺…イモトアヤコが号泣した「1通の手紙」と「空白の7日間」
・グループ行動が苦手(修学旅行に行くかどうか迷った)。(データ)
このエピソードを見ても、友達は少数とだけ深く付き合う様子がうかがえます。
とくに9ハウスは(長距離)旅行を表すため、旅行でのグループ行動が苦手となるのでしょう。
俳優業を表す天体は、6ハウスの木星です。
6ハウスは労働を表す。
6ハウスのカスプ獅子座は、パフォーマンスを表すサインですが、パフォーマンスにも色んな種類があります。
その中で「台本に従う」ことを連想させるのが、規律や従属を意味する乙女座。
パフォーマンスを表す獅子座カスプの6ハウスにある、規律を表す乙女座の木星が、竹内さんの俳優業を担当した主な天体と考えられます。
MC(社会的到達点を示す)が射手座とすると、MCは支配星である木星を頼るので、つじつまも合いますね。
木星は、6ハウス火星とドラゴンヘッドを挟んで合なので、推進力があります(火星は活動力を表し、ドラゴンヘッドは得意分野を表す) 。
木星自体のアスペクトは火星との合ぐらいなのですが、火星が9ハウス天王星、3ハウス金星とともにTスクエアを形成しているため、芸能活動が活発になります。
天王星は前述のとおり、テレビなどのメディアを象徴します。
金星はお金を表しますが、金星のホームグラウンドである牡牛座にあるため、どんどんお金が入って来る。
金星は「美」や「女性らしさ」を表す天体でもあるので、女優にとって重要です。
金星が3ハウスにあるために、連続テレビ小説 (短い(3h)ドラマ)や、色々な(3h)テレビドラマ・映画に出演したと想像できます。
また3ハウスは言語活動を意味するハウスなので(しかも牡牛座は声を表す)、声優やナレーションにも挑戦したことが裏付けられます。
吹替え
『タイタニック』ゴールデンタイム日本特別編集版(2001年、フジテレビ) – ローズ・デウィット・ブケイター〈ケイト・ウィンスレット〉情報バラエティ・ドキュメンタリー
『世界ウルルン滞在記』(1999年2月21日、毎日放送)
『素敵な宇宙船地球号』(2002年、テレビ朝日) – ナレーション
『世界がもし100人の村だったら』(2009年、フジテレビ) – ナレーション (ウィキペディア)
このように、竹内さんの芸能活動はおもに天王星・金星・火星(+木星)のTスクエアに依る部分が大きく、太陽・月・水星などはあまり活躍していません。
というよりは、MC→木星の流れと、Tスクエアが効率的なため、それらだけで女優業は十分機能しており、太陽・月・水星の入る余地がないという印象を受けました。
そういう印象になるのは、太陽・月・水星のアスペクトが少ないから・・・
なのですが、実は月・水星・カイロンは、ヨッドという複合アスペクトを形成しています。
ただしヨッドは限定的な影響しか及ぼせないため、家族問題にのみ影響を与えたと考えられます(後述)。
さてハウス予想の検証はこの位にして、ここからは竹内さんの死について考えます。
竹内さんのことを調べるうちに、実は彼女のお母さんも、彼女が中学2年の時に40歳で自殺をしていることを知りました。
生前、公表されることはほとんどなかったが、中学2年の時に母を亡くす。(ただし、ブレイク前の18歳の時に桜井亜美の『サーフ・スプラッシュ』の解説を執筆した際、このことに若干触れている。(ウィキペディア)
人は親と同じような人生をたどるものですが、まさしく竹内さんは、40歳で自殺をしたのです。
これは偶然ではありません。
なぜかというと、女性のホロスコープで月は、若い頃は自分の母親(&幼少期の自分)を象徴し、自分が結婚すると妻としての自分を表すようになり、子供を産むと、母親としての自分を表すようになるからです。
なので竹内さんが、母親と同じ人生をたどったとしても、不思議ではないのです。
もちろん、母親と竹内さんのホロスコープは異なります。
ただ、竹内さんが見た母親の生き方は、世界観として竹内さん自身のホロスコープに描かれており、その世界観に沿って自分も生きていくということです。
ここは重要なので、もう少し説明します。
人によっては、母親と同じ死に方をしない場合があります。
むしろ、違う場合のほうが圧倒的に多いでしょう。
では、なぜ竹内さんは母親と同じ死に方をしたのか?
なぜなら月が、冥王星と合だからです(冥王星は死を表す)。
つまり、月の状況が示す部分だけ、母親と似るわけです。
そうとしても、母親と竹内さんの死が「自殺」だったのは、なぜでしょうか?
ポイントを先に言っておきます。
①月―水星―カイロンのヨッド
②ベスタ
まず①について。
予想ホロスコープでは、セクスタイルである水星・カイロンの双方に対して150度(インコンジャンクト)の位置に月があります。
この三角形をヨッドといいます。
本来のヨッドは、先端の天体が3つの中で最も速い天体である必要があるので、このヨッドは真のヨッドといえます(オーブが2度ほどしか認められないインコンジャンクトですが、もしICが双子座ならば(5時の予想図を見ても分かるように)、ヨッドは成立します)。
ヨッドの意味は、先端の天体(この場合は月)が、底辺となる2つの天体の意味によって拘束されるということです。
2つの天体の意味とは、たとえば母親の死去を例にとれば、1ハウス水星ですと、あいまいな(魚座)アイデンティティ(1ハウス)の、中学生(水星期)の竹内さんです。
カイロンは心の傷ですが、養育を意味するセレスが合ですので、養育に関する心の傷と読めます(2ハウスは価値観を表す)。継母に育てられたことが心の傷になった、などと推測できます。
このような状態になるのは、ヨッドの先端の月(母親)が拘束されるからですね。
ふつうは拘束されるのですが、竹内さんのヨッドでは月が冥王星と合なので、死去してしまいます。
このヨッドのために、同じような人生コースを、繰り返すことになります。
竹内さんが辿ったおもな人生コースは3つ。
A 母親の自殺
B 中村獅童さんとの結婚・離婚
C 自身の自殺(中林大樹さんとの死別)
実はこのヨッドは「ブーメラン」という複合アスペクトでもあります。
ブーメランの条件はヨッドの先端の天体(この場合は月)のオポジションの位置に天体 (この場合は太陽) がある、というものです。
グランドトラインに対するカイトのように、ヨッドに対するブーメランは、オポジションの天体が、ヨッドの内容の放出点になっています。
つまり、
月が母親だった時は、冥王星との合で母親(月)が自殺したので→父親(太陽)が竹内さんの面倒を見る
月が獅童さんの妻の立場だった時は、冥王星との合で自分(月)が離婚したので→仕事(太陽)に集中して子供を育てる。
月が中林さんの妻の立場だった時は、冥王星との合で自分(月)が自殺したので→夫(太陽)に子供がゆだねられる。
次にポイント②のベスタについて。
竹内さんの妻の立場をあらわす月は、天秤座なので、支配星金星を頼ります。
金星は、未婚(セックスレス)の象徴であるベスタと合。
牡牛座金星の支配星は、自分自身(金星)なので、逃げ場を失う。
つまり自殺の大きな原因は、ベスタです。
ベスタが原因になったことは、経過図を見ていた時に気づきました。
予想ホロスコープに、死亡日の経過図をあててみました(周縁の緑色の天体が死亡日の天体配置になります)。
自殺は自分を傷つける行為なので、火星(事故・凶器を表す)が怪しいのですが、出生の火星の上に、ベスタが通過していました。
ベスタはもともと暖炉の女神ですが、ベスタに仕える未婚で処女の女司祭たちが、その性的な純潔さの為に尊ばれ、のちにベスタは、彼女たちの神となりました。
女司祭たちは、性の交わりを儀式として行うことがありました。それは男性と結ばれるためではなく、月の女神と交信したり、彼女たちの信奉者の命を祝福したりするために行われました。
なぜならベスタはさそり座と乙女座の支配星だからです(さそり座は結婚やセックスを意味し、乙女座は処女のような純潔を意味する)。
つまり、結婚した女性のホロスコープでも、ベスタが重要な意味をもつ場合があります。
彼女にとって性の交わりは卑俗的なものではなく、超越的で霊的な癒しであることが多いのです。
しかし現代ではセックスを神聖さと結びつける風潮はないため、性に対して恥の意識や罪悪感を持っています。
ネットの情報によると、中村獅童さんとの夜の営みはなかったそうです。
竹内さんのセックスレスが獅童さんを不倫に走らせたそうなのですが、その噂はほんとうでしょうか?
まず、冥王星はアスペクトが少ないのですが、5ハウスのジュノーとはスクエアです。
5ハウスはこどもを表し、ジュノーはジューンブライドで知られるように、結婚を司る天体です。
つまり竹内さんの5ハウスは、子供を産むために結婚する、と読めるわけです(5ハウスは恋愛の部屋なので、恋愛結婚するとも読めます)。
ジュノーは蟹座で、蟹座の支配星は月(妻・母親を表す)なので、つじつまが合いますね。
ジュノーは、結婚・出産を意味する冥王星とアスペクトがあるのですが、スクエアなので相性が悪い。
つまり、子供を産むために結婚するんだけど、結婚は長く続かないと暗示されている。
その暗示にとどめを刺すのが、ベスタです。
なぜかというと、冥王星と月は天秤座で、天秤座の支配星は金星だから。
金星はベスタと合なのですが、2天体とも牡牛座なので、支配星の流れが金星で止まってしまうのです。
ベスタは未婚をあらわす天体ですから、自然とセックスレスになりますし、自然と離婚へ向かうはずです。
つまりジュノー→月→金星(→ベスタ)という支配星の流れこそ、自殺の動機であり原因だったのです。
さらに解読を続けます。
出生図のベスタがどんな意味をもっていたのかをサビアンシンボルで見ていきます。
出生のベスタは金星のすぐ隣にあり、牡牛座の29度です。
牡牛座29度…『テーブルの前の二人の靴職人』
この度数の人は、常に新しさへのあこがれと、古い伝統への愛着の間で揺れ続けます。重厚な価値と、お手軽な価値の両方を評価できるので、商品やものに対しての評価能力が発達してきます。しかしきっぱりと二者択一にはできないでしょう。(『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)
つまり二者択一に関して悩んでいたと考えられます。
選択を意味する3ハウスであれば、二者択一の意味はいっそう強まります。
何の二者択一か?
それは…
「子ども」です。
竹内さんの死を考えたとき、どうしても不可解だったのは、
「二人の子供がいるのに、なぜ自殺できたのか」。
もちろん子供が嫌い(苦手)というお母さんも、世の中にはたくさんいます。
でも普通に考えると、自分のお腹を痛めて産んだ子供を残して死ぬなんて、できません。
ましてや第2子は、産んで間もないのです。
普通なら心配で死ねません。
すると逆に、
その子供自体が、自殺の動機ではないか?
空想ではありません。
ホロスコープの中に、養育に関する悩みが描かれています。
セレスとカイロンの合がありますね。
セレスは養育を表す小惑星。
カイロンは心の傷です。
≪養育に関する心の傷≫
2ハウスは価値観や所有物を表すので、自分の価値観や所有において、二者択一で悩んでいたと考えられます。
なぜかというと、セレスとカイロンは牡牛座なので、支配星である金星を頼るから。
金星はベスタと合なので、養育に関する心の傷→二者択一→離婚という流れができます。
≪どちらが所有するか≫
じっさい中村獅童さんとの離婚の際には、どちらが子供の親権(養育権)を持つかに関して1年半もの離婚調停があったそうです。
これは養育に関する心の傷が→二者択一という流れに沿っています。
そしてベスタは未婚女性を意味するため離婚し、彼女はシングルマザーになります。
とすると、中林さんとの死別の際にも、養育に関する心の傷が→二者択一という流れが適用されたと考えられます。
どういう二者択一かというと…
どちらが子供の親権(養育権)を持つか
しかし今度はその二者択一が、竹内さん自身の死によって、夫に養育権を持たせる形になりました。
結局のところ、最後の二者択一は
「生か死か」の問題になりました。
では、なぜ養育に関する心の傷が「生か死か」の問題にまでなるのでしょうか?
おそらく、第1子の問題が大きいと思われます。
なぜかというと、出生の太陽を通過した経過のカイロンが逆行しているから(マークの右下の “r” が逆行を意味します)。
逆行天体は過去を振り返るため、過去に起きた心の傷と考えられるのです。
もしかすると竹内さんは、第1子の(歌舞伎)役者としての才能を見抜いたのかもしれません(あるいは成長した第1子が、(歌舞伎)役者になりたいと、ほのめかした)。
もし竹内さんが死ねば、自ずと獅童さんは第1子を引き取るといってくるでしょう(実際にも彼女の死後、獅童さんから中林さんへの働きかけはあったそうです)。
すると、獅童さんが引き取る引き取らないにかかわらず、歌舞伎への道は開かれますね。
もし竹内さんが見抜いた第1子の適性が、歌舞伎ではなく、役者にあったとしても、中林さんより獅童さんの方が芸能界で顔が利くはずなので、うまくいくでしょう。
それは、死ななくても出来ないか?
もちろん、生前のままで、獅童さんにお願いすることもできますが、それは中林さんに失礼すぎます。
何よりも、獅童さんとは1年半もの離婚調停を経て親権を勝ち取ったので、頭を下げるのは難しい。
そもそも自分のセックスレスが彼を不倫に走らせたのが本当だとすると、複雑な思いがあるでしょう。
それらを自然に解決する方法が、自分が死ぬことだったのです。
それに加えて、
前述のセックスレスの構図(※)は不変なので、中林さんとの結婚生活でも夜の営みは少なかったと考えられます。
※月は天秤座で支配星金星を頼る→金星はセックスレスの象徴・ベスタと合→牡牛座金星の支配星は金星なので逃げ場を失う。
獅童さんのように、近い将来、中林さんを不倫に走らせてしまう可能性もあり、子供を巻き添えにして同じ不幸を繰り返すなら、自分が消えた方が良いと考えた、としても不思議ではありません。
夫(太陽)に負担はかかりますが、自分(月)の莫大な遺産(冥王星・8ハウスは遺産を表す)を残してあげられる(経済的な不安はない) という構図も、月と太陽のオポジションから見えてきますね。
そこまで自己犠牲的になるのは、実はベスタが、何かを犠牲にしてでも目的を達成しようとする天体だからなのですが、竹内さん自身の性格も関係しています。
竹内さんは人に迷惑をかけることができない独立独歩の人のような気がします。
なぜ独立独歩かというと、竹内さん自身を表す太陽が、1ハウスで、牡羊座だから。
牡羊座及び1ハウスは、他者を認識できないのです。
1ハウスの太陽:自己依存性。自主性を過剰に強調した結果、他人への無関心と強いエゴが表れる。無謀な見切り発車。自己主張が強く、多くの人に自分を印象づけるのが上手い。プライドが高い。(『完全マスター 西洋占星術』(松村潔/説話社))
さらに、もし水星も1ハウスなら、水星は乙女座の支配星なので、遠慮がちな人になります(彼女の場合、乙女座は、対人関係の7ハウスのカスプ)。
自分のことは自分で始末する彼女にとっては、最も人に迷惑を掛けないやり方が、自分の存在を消してしまうことだった。
帰る家は暖かい家庭そのものに見えたが、カギのかかった空間がいくつもあるような場所だった。足早に台所を通り過ぎる時、一人の人間として父が必要とした女の人が、彼女の子供たちのために食事の支度をしている。晩の食卓の賑やかな景色が、私にはガラス越しのものに見えた。殺風景な自分の部屋でため息をつく。
私は父に人生を好きに生きてくれたらいいと思っていた。連れ子という荷物がいることを面倒に感じられたくなかったのだ。その思いが自分の心に無理を課していたとは気付かなかった。
(『サーフ・スプラッシュ』桜井亜美/幻冬舎)の竹内結子さんによる解説から引用。
彼女の悲しいまでの遠慮深さが見えてきます。
父を「夫」に、連れ子を「妻」に置き換えて、華やかなイメージとは裏腹な、自己犠牲的なベスタを、竹内さんは繰り返し演じたのです(ベスタは乙女座の支配星なので、対人関係の7ハウスは水星だけでなく、ベスタをも頼ることになる)。
最後に、自殺の状況をみていきます。
出生の太陽には、経過のカイロンが逆行で通過していました(逆行は振り返りの意味があるので、過去に負った心の傷(カイロン)と解釈できます)。
経過のリリス(Lil(o))も出生の太陽を通過しようとしており、ちょうどカイロンとリリスが交差したところでした。
逆に、出生のリリス(Lil(o))には、経過の太陽が通過したところでした。
リリスは「月の遠地点」であり、遠い過去の記憶(月は記憶を表す)が竹内さんを刺激したと考えられます。
遠い過去の記憶とはおそらく、母親の自殺…。
なぜ自殺かというと、経過リリスのサインが、事故をあらわす牡羊座だから。
ここで竹内さんは、
母と同じ運命をたどる
と悟った…。
もちろん自殺なんて、考えて実行できるものではありません。
しかし彼女には、自殺をしてしまえる配置があった。
予想ホロスコープを作った時、気になった天体は、8ハウスの冥王星です。
8ハウスの冥王星:対人関係で、決して踏み込んではならない領域に容易に侵入する。それは時に生死の支配権にまで至る場合も。死に目に遭うことで、人格が一変する。基本的に巻き込まれることに対して抵抗感がない。人に説明できない感情を抱え込んでいる。(『完全マスター 西洋占星術』(松村潔/説話社))
彼女の7ハウスは乙女座のため、対人関係は自分と向き合うことになり(支配星水星はアイデンティティを意味する1ハウスにある)、それは離婚(→死別)を暗示する(乙女座のもう一つの支配星はベスタ)。
冥王星は、8ハウスでないとしても死を表すため、自殺の原因の一つです。
なぜ原因かというと、アスペクトが少ない冥王星にあって、5ハウスのジュノーとタイトなスクエアがあるから、でしたね。
では、冥王星はどのように自殺に導いたのか。
カイロン・リリス(経過)が太陽(出生)を刺激した時、太陽は牡羊座なので、凶器(火星)を頼ったと考えられます。
火星は火星で獅子座なので、支配星・太陽をターゲットにします。
太陽⇆火星
竹内さんが太陽と火星の間で逡巡し、迷った様子がうかがえます(カイロンは遅い天体なので、長い時間をかけて太陽を通過します)。
迷った挙句、太陽が逃げたのは・・・
太陽が握った凶器は、その矛先を月(私生活の自分)に向けます。
なぜかというと、
①太陽は、アスペクトが月にしかなく、
②月は、死を表す冥王星と合であり、さらに
③冥王星とスクエア※のジュノーのサインが蟹座(支配星は月)なので、
死(冥王星)の意志が月に向かうからです。
※ジュノーは結婚を意味し、5ハウスは子供を意味するので、夫や子供と死別することを、このスクエアは暗示している(そこまで強い意味になり得るのは、冥王星のアスペクトが、月とのゆるい合を除いては、ジュノーにしかないから)。
コロナでは、双子座が強調されるという記事を去年(2020年)書きました。
三浦さんの場合は名前に、双子座らしさがありました。
竹内さんの双子座らしさは何か?
これが今回の、隠れた検証テーマでした。
彼女の双子座らしさは、二回(♊)の結婚、二人(♊)の子供にありました。
二者択一の選択(♊)にありました。
思えば、竹内さんの死もクローゼットの中でした。
4ハウスは家を表すハウス。
カスプ双子座は二つを表すので、二つの家。
つまり二重に囲まれた空間が、彼女の終の棲家だったのです。
≪カギのかかった空間がいくつもあるような場所だった≫
彼女はいま、
性と聖の統合を司る女神(ベスタ)として、
「二人」の子供の「心」の中に、生きています。