竹内結子さんの情報を調べているとき、この方が同時期に自殺により亡くなったことを知りました。
初めて目にする名前と顔でしたが、映画やドラマで活躍した女優さんだそうです。
まず、出生日正午のホロスコープを見てみましょう。
ユニークなホロスコープです。
ただ、パッと見でもアスペクトが少ない。
土星はノーアスで、冥王星はかろうじてカイロンとの150度があるだけでした。
ブレーキ役の土星にアスペクトがないことは、文字通りブレーキが利きにくい人生です。
良い事も悪い事もすんなり出来てしまうワケで、極端な話、死のうと思えば死んでしまう。
極端といえば、芦名さんの太陽はさそり座の最終度でした。
最終度は涙の度数ですが、その悲哀は、太陽・冥王星ともにアスペクトが少ないことで、軽減されています。
つまり自殺の要素は、「涙の度数の太陽」の他にもある。
さてハウス予想は下のようになりました。
きっかけはホリプロ。
堀さんの芸能プロダクションですね。
さそり座は掘ることを意味します。
「掘る」に適当な事例がないのでアレですが、例えば、自動車の追突事故に遭ったことを、隠語※で「オカマを掘られた」と言いますね(※実際は一般的に使われる)。
つまりさそり座の象意であるセックスを、「掘る」と表現するわけです。
芸能事務所は職場なので、6ハウス(職場を意味する)のカスプをさそり座にしました。
その結果6ハウスには、太陽をはじめ、木星や水星が入りました。
6ハウスはトレーニングの部屋でもあります。
芦名さんは毎日トレーニングをしているので、ふさわしい。
・健康法…腹筋300回・背筋150回・腕立て伏せ30回(中学時代から毎日)。
・デビュー前に約2ヵ月で25㎏のダイエットに成功。
野菜ジュース、ミルクティーなどの飲み物中心でたまにごく少量のご飯を摂った。
腹筋・腕立てなどの筋トレを毎日徹底的にやった。(有名人データベース)
6ハウスカスプのさそり座には「極端な」「激しい」「集中的な」などの意味があります。
6ハウスを進むと射手座になります。
射手座はスポーツを表すサインであり、6ハウスはルーティンワーク(日課)を表すハウスでもあるため、ハードなトレーニングを毎日行う。
射手座には、天王星、水星、ドラゴンテイル、木星などがあります。
6ハウスカスプをさそり座にしたとき、家を表す4ハウスには、スポーツを表す火星が入ります。
家(4ハウス)でトレーニング(→スポーツ=火星)の雰囲気がありますね。
・子供の頃、兄と一緒に格闘技ごっこをした。(有名人データベース)
4ハウス火星を持つ人の家庭は活発(♂)で、ケンカ(♂)が多くなりがちなので、それらしいエピソードです。
MCは魚座。
2006年、オーディションで800人の中から選ばれ、日本・カナダ・イタリアが総製作費30億円を投じる合作映画『シルク』の日本人ヒロインに抜擢される。以降、女優活動に専念。(ウィキペディア)
映画『シルク』が出世作といえるので、MC水瓶座(繊維を表す)かなとも思ったのですが、水瓶座のセレスがカルミネート(MCに最も近い)天体になるので、問題はないでしょう。
魚座は芸能界を表すサインです。
・中学卒業後、漠然と芸能界を志して上京。
・高校時代、ホリプロのそばで待ち合わせしている時にスカウトされた。(有名人データベース)
ハウス予想の説明はここまでにして、ホロスコープの検証に入ります。
まず、ポイントになる天体を探します。
アストロディーンストのアスペクト線は度数の計算だけで描かれるので、本当は成立していない(サイン違いの)アスペクトでも描かれてしまいます。
そこで、有効なメジャーアスペクト(&150度)だけを図上に描いてみました。
やはりアスペクトは少ないのですが、この中ではアスペクト多めな月が重要です。
次いで水星、海王星、木星、金星、天王星。
火星、冥王星は一つしかなく、太陽は天王星とのゆるい合があるだけ。
土星はノーアスペクトです。
アスペクトの少なさは、彼女のホロスコープを見るうえで、重要な意味をもってきます。
死亡日の経過図を重ねてみました。
自殺の原因と考えられる経過の天体は、見当たりません。
やはり土星のブレーキが効いていないことで、ちょっとしたことが自殺の原因になったと思われます。
「ちょっとしたこと」とは何?
竹内結子さんの金星に寄り添っていたベスタが、芦名さんの場合は月に寄り添っています(あくまで予想です)。
金星・月は、ともに女性を表す天体。
ベスタは女神なので、人々の崇敬を集める。
竹内さんの場合もそうでしたが、女優にふさわしい配置といえるでしょう。
ベスタは双子座の26度に位置しています。
サビアンシンボルは、
双子座の26度…『森の中の冬霜』
逆境の中で生き残ったものこそ、重要な価値のあるものだと考え、あまり条件の良くない場所で自分の力を試そうとする傾向があります。
増やすことよりも、減らすことに重きを置き、必要最小限の生き方をしようとします。(『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)
これはトレーニングで極限まで体重を落としたエピソードにも反映されてますね。
逆境の中で生き残ったものこそ、重要な価値のある…
クローゼットの中で首を吊るのは、逆境の最たるものです。
とすれば芦名さんは、自分の力を試そうとしただけなのかもしれません。
そう考えると6ハウスの状況は、死(カスプさそり座)への旅行(射手座)というトレーニング(6ハウス)とさえ読めます。
死に向かう中で、人は何を体験するのか?
これは誰もが持つ好奇心(♊)です。
しかし普通は、死を体験するなんて危険は冒しません。
なぜなら、自制心が働くからです。
でも、
土星がノーアスペクトだったら、自制心が働かず、突き進んでしまうかもしれない。
もしかしたら彼女は、究極の逆境の中で、生きて戻ってくるつもりだったのかも。
そんな危険を冒すのは、彼女の太陽が、(とくにオカルトめいたことに関して)深い探求心を持つサイン、さそり座だから。
さそり座の中でも、ギリギリの度数、30度だからです。
生死を司るさそり座の太陽が、生と死のギリギリの部分を見極めたかったとしても、不思議ではありません。
さきほど「ちょっとしたこと」が自殺の引き金に・・・といいました。
そう思ったのは、太陽のサビアンシンボルが「ハロウィンのわるふざけ」だからです。
さそり座30度…『ハロウィンのわるふざけ』
この度数の人は、大切な深い意味をもっていたはずのことを、地に落とし、台無しにすることで、その影響から離れるという最悪の手段をとりがちですが、独立のためにはそうした方法も許されます。誇張や歪曲をうまく利用する人です。(『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)
さそり座の支配星・冥王星のアスペクトは、カイロンとのインコンジャンクト(150度)だけです。
インコンジャンクトはハードアスペクトで、短期ですが強力な影響力を発揮します。
カイロンは双子座の最初の度数なので、好奇心(♊)が衝動的に(1度)現れます。
何の好奇心かというと、あの世(12ハウス)での、人間の身体(カスプ牡牛座)に関する好奇心です。
カイロンは凶器を表す火星と、トラインでつながっています(トラインという所に”わるふざけ”感があります)。
しかも経過のカイロンは牡羊座にあり、支配星火星を頼っていました。
太陽(♏)の意志は冥王星を通して発揮されますが、冥王星のアスペクトが少ないので、多くはベスタにも流れます(ベスタは、さそり座と乙女座の支配星)。
ベスタは双子座のため、支配星は水星。
水星は、冒険心を表す射手座にあり、過去を示すドラゴンテイルを挟んで、木星と合。
木星はよくいえば発展、悪くいえば暴走の天体です。
暴走の勢いは、ホームグラウンドの射手座で加速し、止められない。
なぜ止められないのか?
ブレーキ役の土星が、彼女の場合はノーアスペクトだからです。
土星が空回りした時、最後のトリデとなり得るのは冥王星なのですが、冥王星はメジャーアスペクトを持たず、前述の通り、カイロンとの150度に身を任せてしまう。
ドラゴンテイルが示す過去とは、少し前に起きた三浦春馬さんの自殺だったのかもしれない。
三浦春馬さんとは親しかったそうで、彼の死を悔やみ、「会いたい」と漏らしていたそうです。
芦名星さん 悔やんでいた「亡くなる直前の三浦春馬さんからの電話」
カイロンとベスタの好奇心は、三浦さんと同じくクローゼットの中で首を吊ることを選びました〔12ハウスカスプの牡牛座は首を表し、カイロン・ベスタの双子座は二つを表すので、”二重の部屋の中で首を吊る”とも読めます(12ハウスは浮遊を表し、カイロンとトラインの火星(凶器)が家を意味する4ハウスにある)〕。
そのやり方は、生きて戻るにしても、死んでしまうにしても、さそり座最終度の太陽が求めた「究極の姿」だったのでしょう。
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