岡江久美子さんは2020年4月23日に亡くなりました。
4月26日に、岡江さんの最後の出演作『森村誠一ミステリースペシャル・終着駅シリーズ〜雪の螢』が追悼番組として放映されました。
主人公・牛尾正直(片岡鶴太郎)刑事の妻・澄枝役である岡江さんの出番は、夫婦の団らんがあるドラマの後半の、ほんの数分間です。
追悼番組なのにこれはどうなの?と感じるぐらい短いのですが、そこに彼女の(人生の)エッセンスが詰め込まれていました。
ネタバレになりますが、簡単なあらすじを書き、岡江さんの台詞をそのまま書き写します。
【あらすじ(HPより引用)】
東京・新宿の空き地で、若い女性の遺体が見つかった。高級ブランド品を身に着け、いかにも外出中といった感じだったが、スマートフォンもバッグも見当たらず、身元は不明。臨場した新宿西署の牛尾正直刑事(片岡鶴太郎)は、被害者のコートの襟に白い綿のようなものが付着しているのに気づく。
調べたところ、それは10月から12月にかけて北海道、東北、信州を中心に空中を舞う“トドノネオオワタムシ”という昆虫だと判明。空中を漂う姿が雪のように見えることから、“雪螢”とよばれている虫だった。また、被害者は妊娠4カ月だったこともわかった。
まもなく、被害者の身元は、長野・諏訪在住の根岸いずみ(黒川芽以)と判明。手がかりを求めて諏訪を訪れた牛尾は、いずみが老舗料亭社長・泉田耀造(宮川一朗太)と愛人関係にあったことを知る。泉田の会社は現在、本社を東京に移しており、泉田も都内で妻・栄子(森口瑤子)と2人で暮らしているが、時折、本店のある諏訪を訪れ、いずみと会っていたらしい。しかし、当の泉田は数日前から海外出張中で留守だった。
泉田が帰国した翌朝、牛尾は泉田家まで事情を聴きに行く。ところが、なんと泉田は直前に脳梗塞を起こし、息を引き取った後だった。栄子が20分ほど庭掃除に出た隙に泉田はリビングで倒れ、絶命していたという。栄子は1カ月前、夫からいずみの存在と彼女の妊娠を知らされ、「後継ぎがほしいから離婚してくれ」と頼まれたと牛尾に明かす。また、事件当夜は、以前、夫が入院した際に知り合った看護師・島村昌子(宮本真希)とともにいたと証言する。
手がかりを見つけられないまま日が過ぎていく中、牛尾はふと思い出した栄子の言葉から、泉田にはもうひとり別の女性の影があったのではないかと直感する。やがて、牛尾刑事が執念の捜査で突き止めたのは、3人の女たちの出会いが引き起こした悲劇だった――!? “雪螢”が教えてくれた切なすぎる真相とは、いったい…!?
【ネタバレ】
3人の女たちの出会いとは、子供に「耀一郎」と名付けたかった3人の母親の衝突です。
一人は泉田の妻・栄子(森口瑤子)で、若い頃子供を流産し、跡取りがいない事に負い目を感じて生きてきた。
もう一人は根岸いずみ(黒川芽以)で、泉田の直近の愛人だった。殺されたとき、お腹に泉田との子供を身ごもっていた。
3人目は島村昌子(宮本真希)の妹の万里子で、泉田の以前の愛人。万里子は泉田の子供を妊娠したが、泉田から疎まれ、別れを告げられる。手切れ金を渡しにやってきたのは、根岸いずみだった。その後も歩道橋で突き飛ばされるなど、いずみからひどい仕打ちを受け、鬱になる。3人の中では唯一の子供「耀一郎」を産み、自らは息絶えてしまう。姉の島村昌子は、万里子の身代りとなり、耀一郎を育ててきた。
3人の母親は泉田の家で鉢合わせし、口論となる。栄子を守ろうとした島村昌子が、衝動的に根岸いずみを殺してしまう。
その後泉田は脳梗塞で倒れ、死を遂げます。
泉田の会社を引き継ぎ、社長に就任したのは妻の栄子。栄子が裏で糸を引いているような雰囲気が漂います。
そんな中、島村昌子が滝から落ちて死亡しているのが発見されます。
――自殺か、他殺か。
思案する牛尾刑事に、岡江さん演じる妻・澄江が助け舟を出します。
牛尾刑事〔取調室で栄子と向き合いながら〕「私は母親というものは、わが子を、それも小さなわが子を残して自殺などできるはずはない、そう思っていました。でも家内が、逆もまたあるんじゃないかって・・・」
(回想場面)
牛尾刑事〔台所で料理をする妻、澄枝の方を見ながら〕「逆?」
牛尾澄枝(岡江久美子)「世間は本当に冷たいわぁ。人を殺した人にはもちろんだけど、その人達のお子さんたちにも。・・・でも、その親が罪を悔いて、被害者にも世間にも詫びて、自殺したとしたら、世間は少しは許してくれるんじゃないか、自分のことは許さなくても、子供に向けられる視線は和らぐんじゃないかって、そのお母さん、そう思ったと思う。そのお母さん、そのお子さんのこと、心から愛してたのよ。幸せな人生を生きて欲しかったんだわ。でもそのためには、自分が死ぬしか…。その子の前から永遠に消えてあげるしか…。子供を放りだしたんじゃない。たぶん、その子を託せる人が、その子の将来を見守ってくれる人がいるっていう、確信があったんじゃないかしら。だから・・・。」
澄枝の言葉には無理があり、最初聞いたときは「それはないやろ」と思いました。
人間はいろんな欲望を持って生きています。
自分で育てたとはいえ、妹の子供のために自殺なんて、机上の空論であり、実際は出来ないのです。
しかし台本の不条理さを別にすると、これは岡江久美子さん自身を表現する言葉だとも考えられます。
つまり澄枝のセリフは、岡江さんの死に方を暗示している。
「島村昌子は、罪への悔いを世間に知らしめるために死んだ」というのが岡江さん(演じる澄枝)の発想です。
それと同じように、岡江さんもコロナの恐ろしさを世間に知らしめるために死んだ。
もちろん岡江さんの死に方を選んだのは、彼女の意識ではなく、潜在意識です。
なぜそういえるかというと、仕事を意味する太陽の意思は、役者では、台詞によって体現されるからです。
占星術で太陽は、人の一生を導く天体でもあります。
人生の終着駅に辿り着いた彼女は、台詞が示すような、他者にメッセージを残す終わり方をすることで、役者としての生を締めくくりました。
メッセージは双子座の担当分野。新型コロナウイルスについてで示したように、双子座と縁の深い彼女は死をもって人々にメッセージを伝えることで、最後の大仕事を為したのです。
※双子座に縁が深い人とは、必ずしも双子座の天体を持つ人に限りません。双子座を原型とする3ハウスが強力であったり、双子座の支配星である水星がホロスコープの目立つ場所にあったりすると、双子座の事柄に縁の深い人生になります。
人は死ぬまでの一生をすべて設定して、生まれてくる。
私は、そう考えます。
そう考えるからこそ、それを大前提として、「有名人のホロスコープ」で出生時刻予想をしてきました。
出生時刻予想とは、出生後に起こる出来事や行動から、その人の出生図を予想するものです。
出生の時点で人生が決まっているから、逆の発想で、出生後に起こる出来事や行動から、出生図を予想できる。
結果的に出生時刻を予想できる。
コロナの騒ぎ以降私は、ホロスコープは見ていません。志村さんも岡江さんも見ていません。
コロナウイルスの発生時点も、東日本大震災のように明確には判明していません。
しかし大局的に見ると、コロナ禍の世は双子座や水瓶座の事象が支配していると感じました。
また志村さんや岡江さんの死を通して、人は死ぬまでの一生を全て設定して生まれてくると改めて感じました。
双子座も水瓶座も情報流通を司る風のサインです。
風のサインは「教える」ことに関連します。
岡江さんの死は、ドラマの台詞が物語るように、死に時を選んだ死であったと思います。
つまり「もっとも効果的に人々に学びを与える死に方はどんなだろうか?」と、彼女の潜在意識が選んだ。
それが2020年4月23日だった。
人々は、テレビでよく目にした岡江さんの死に直面し、コロナウイルスの恐さを実感しました。
いまはいろいろな事が劇的に変化しているので、まるでドラマを見ているよう。
なので岡江さんの死は、とてもドラマチックで、強烈なインパクトを残しました。
しかし誰の死でも、周囲の人々に学びを与えるよう計画されている(例えば、遺産問題や介護などの形で…)。
そのこともまた、彼女は教えてくれました。