小泉今日子さんのホロスコープを見ていきます。
出生時刻が公表されていますので、今回は予想ではありません。
結婚相手やパートナー選びに関係する7ハウスに天王星・冥王星があります。7ハウス天王星・冥王星からは彼女の結婚を読み解けなかったので、支配星の流れをみることにしました。
ハウスに天体がある場合は、他のハウスの発想が7ハウスに根を持つことになります。この場合は、
9ハウス(さそり座)→7ハウス(冥王星)
10ハウス(さそり座)→7ハウス(冥王星)
1ハウス(水瓶座)→7ハウス(天王星)
と、3つのハウスが7ハウスの発想を頼りにすることが分かります。
7ハウス自身はどうかというと、7ハウス(獅子座)→1ハウス(太陽)ということで、1ハウスに根を持ちます。
まず、10ハウスの支配星が7ハウスにある人は、自分かパートナーが社会的な活動をするためには、一方が裏方に回る必要がある、という発想をもちます。
そのため小泉さんは結婚後、家に入ろうとしたようです。この記事に以下のようなことが書かれていました。
9回目の結婚記念日当日、小泉今日子と永瀬正敏は離婚届を出しました。
小泉今日子は、結婚と同時に引退するつもりだったようです(それを止めたのは永瀬正敏でした)。彼女の中には「日本の女はかくあるべし」というイメージがあったので、「妻」となってからは仕事と板ばさみで辛かったとも述べています。入籍後、1年間ほど活動をセーブしていた期間もありました。
永瀬正敏との結婚生活ついて、小泉今日子はこう語っています。
<(永瀬は)自ら進んでカメラに魂を差し出している。そこまでやれるのはすごいことだけれど、私自身は決してそんな状態にはならないから、心のどこかでやっかみや憧れやその不器用さに対しての警告や不安もあって、「バカじゃないの?」と思ったりもしました。だから、一緒に住んでいる頃は大変だった。よく心配もしましたね>
<(永瀬と別れたのは)派手な愛憎劇があったわけじゃなくて、背負っているものに対して、一緒にいることがきつくなってしまったという感じだったから>
これは彼女の月が蟹座であり、ドラゴンヘッドが4ハウスであることにも起因しているかもしれません。月・蟹座・4ハウスが示す母や妻の像は現代でも家庭に入るものが主流ですからね。
しかし、配偶者は彼女に対して考え方を押しつける人だったのでしょう(9ハウスの支配星が7ハウスに入るため)。
10ハウスや9ハウスが7ハウス冥王星を頼ってきた時、冥王星は天王星と合なので、「離れる」ということが暗示されていたともいえます。
7ハウスの支配星は1ハウスに入り、1ハウスの支配星は7ハウスに入るので、そもそも配偶者に影響を受けやすくなります。配偶者の要求と自分の在り方の矛盾が大きくなると、結婚生活は破綻するのかもしれません。
彼女の生き方を考えてみます。
アセンダントの近くに水星と太陽があります。
アセンダントと太陽の合は、存在感が大きくて自己主張の強い人物をあらわします。
ただ、アセンダントと太陽の間に水星を挟むことで、行動よりも言葉が自己を主張するようになります。
『なんてったってアイドル』という歌の歌詞は、彼女のイメージを作り上げ、大衆に広めましたが、彼女自身の行動がそうしたとは思えません。
そもそも彼女は火のサインをもっておらず、あの歌のようなノリを大事にする生き方ではないのですね。
そのかわりに風のサインが多く、情報流通を意識した生き方です。また水のサインも多いため、情緒を尊重する生き方でもあります。
月-海王星-カイロン(土星)はグランドトラインを作り、水サインのエネルギーは統合されています。
カイロンと7ハウス天王星がオポジション(→カイトになる)、それら2天体が木星にスクエアなので、Tスクエアとなっています。
グランドトラインやカイトは必ずしも行動を駆り立てるアスペクトではないため、ここではむしろTスクエアの先端の天体(5ハウス木星)にエネルギーが放出されているように見えます。それが彼女が芸能界で成功した一因だと思いました。
彼女の情緒的な生き方、情報流通の生き方がよく表れた活動として、読売新聞での読書委員の仕事があります。
10年間読書委員をしたそうですが、その内容が『小泉今日子書評集』という本にまとめられています。今回彼女に興味をもったのは、この本に関するニュースを読んで、少し意外だなと思ったからです。
これを読むと彼女がすすめる本の内容だけでなく、彼女の考え方・感じ方を垣間見ることができます。たとえば、
『快楽上等(上野千鶴子/湯山玲子)』という本の書評(2013/2/3)
まもなく四十七歳になる独り身の私は、これから先の人生をどう生きたらいいのか、もちろん考える。(中略)恋愛の先にはいつも結婚や出産や家族という未来が見えていた。長い間その想いに捉われて生きていた。離婚を経験した私でもついこの間までそんな思いに揺れていた。やっと解放されたというのにこんどはどこに向かっていいのか迷子のような気分だった。その原因がはっきりしたし、上野さんのいう「選択縁」「最後の秘境は他人」などの言葉に答えがあるのだと思った。/(単行本編集時の追記)東京で、独身でバリバリ仕事をしている女友達が多いけど、老いていく上では、違う考え方をしなきゃいけないんだろうな、と。
『本を読むわたし(華恵)』という本の書評(2006/7/23)
あなたの一番大切なものは何ですか?と訊かれたら、わたしは迷わず「記憶」と答える。わたしの心のなかに詰まっている様々な記憶は過去からの優しい風のように、今の私を慰め、励まし、奮い立たせてくれる。良い事も、悪い事も全部が愛しい大切な思い出。私の記憶は私が私であることの証明みたいなものなのだ。
彼女のICは牡牛座で、これは物や意識として自分に与えられた価値観を大切に守りたいという心境をあらわします。
彼女の場合は物ではなくて、思い出だったのでしょう。特に高校までを過ごした厚木時代は彼女のバックボーンになったようです。
彼女が書評しているのは小説が多いようです。小説はエモーショナルな部分に訴えるので、水サインが多い彼女の好みなのでしょう。
エモーショナルな部分はあいまいなものなので、読む人の感性や価値観によって様々な形で受け取られます。そのため、実用性を重んじる地のサインが多い人などは、小説など読んでも役に立たないと感じるかもしれません。
私自身もそういう考えに傾きがちだったのですが、小泉さんの本を読んで小説の力を感じたように思います。
役に立つ/立たない、答えがある/ない、そういう価値観とは別に、誰かの文章に触れることで、自分の意識が触発され膨らんでいく、そこに魅力を感じる価値観もあるのだと分かったのです。
IC牡牛座の人はMCが必ずさそり座になります。
MCさそり座は他者の変容をサポートしようとします。
とはいえ、彼女は「こうすればいい」という明確な変容の形は示さないでしょう。小説のように、小泉今日子を感じるままに受け取って欲しいと考えるはずです。
さそり座MCに一番近接する天体は海王星です。
海王星は夢見の天体。
彼女の人生が目論んだのは、夢を与えることで人々の変容を促したいということだったのかもしれません。
『夢を与える(綿矢りさ)』という本の書評(2007/2/11)
芸能界の光と影を、夕子というヒロインを通してリアルに描いたこの小説は、私の背筋を少し寒くした。チャイルドモデルからCMの主役に抜擢され、人気者になっていく夕子。忙しい日々の中、インタビューで自らが口にした「夢を与える」という言葉に違和感を覚える。“与える”なんて、高飛車で汚らしい言葉なのではないかと。
夢を与える。誰かが口にしたその言葉を私は何も考えずに受け入れてきた。自分だって使ったことがある。そもそも夢って何だろう?突きつめて考えたことがあるだろうかと、自分のことが怖くなった。
夕子の迷いはやがて残酷な現実を招き、夢や希望、笑顔すら失った少女の心には真っ暗な空洞だけが残る。表面的には豊かに感じられるこの時代、人々のエネルギーの大きな塊のような夢は生まれにくい。でも、その空洞に再び光が射すために、「夢を与える」人たちはやっぱり必要なのだと私は思いたい。
/芸能界にいる者として、こういう結論を書きたかった。そういうことで、この本を選んだと思います。光が射すところでずっと頑張っている人もいるんだよ。
以上、小泉今日子さんのホロスコープでした。
このほかのホロスコープはこちらをご覧下さい