古坂さんはキャラクター設定がややこしいです。
動画がYouTubeで数億回再生され、世界中で流行した「ピコ太郎」をプロデュースした人。それが古坂大魔王さんです。
しかし「二人」を見ればたいていの人が気づくように、二人は同一人物です。
なぜそんなめんどくさい設定をするのか、その複雑な人物像もホロスコープには表れています。
今回はハウスを予想しています。予想のきっかけは、海外志向と変身です。
海外志向と変身を表しているのは、9ハウスの状況です。
9ハウスは海外を表すのですが、9ハウスのカスプが「変容」を表すさそり座になっている。
9ハウスの中に入ると海外を表す射手座に、膨張と映像芸術を表す海王星がある。
ピコ太郎さんのことを調べていたとき、以前に『マネーの虎』という番組に出演し、「海外でパフォーマンスをしたいから出資してほしい」というプレゼンをしていたことがわかりました。
私はその発想が面白いと思いました。彼の発想には海外志向が根源的にあるようです。
根源的な発想といえば、アセンダントです。
彼のアセンダントはこのホロスコープでは魚座。必ずしも海外とは結びつきません。
1ハウスの中に入ると牡牛座になり、火星があります。
ハウスの中に天体があるなら、その天体がハウスの方向性を決めます。
しかし、その天体がアスペクトがない場合など役に立たない場合は、そのハウスは支配星の流れに身を任せることになります。
1ハウスの火星はアスペクトはありますが、カイロンと合であるために、いまひとつ発揮されていないようです(これに関しては最後に言及します)。
そこで魚座の支配星を追うと、海王星が9ハウス(海外を表す)にあった、というわけです。
これにより、なんで海外でパフォーマンスをやりたいなんて思うの?という疑問が解明されるのです。
それと同時に、海外(射手座・9ハウス)で映像芸術(海王星)が評価され、化けた(蠍座)という状況の説明にもなります。
MCは射手座です。これは海外で活躍するという意味もありますが、以下の意味が強いと思います。
MC射手座:等身大の自分に囚われない壮大なビジョンと冒険心を世の中に示す
ピコ太郎は自分(古坂大魔王)ではないと言っているのですから、等身大の自分にはとらわれていませんね。
ただしその表現が複雑です。「二人」をなぜ使う必要があるのでしょうか。
それを説明するのが4ハウスの双子座です。
4ハウスは家や家庭を表しますが、心の状態も表します。どんな心理的状況なのか、というのは4ハウスを見るとわかります。
双子座は二つのものや複数のものを表します。そこで等身大の自分を超えるために心の中にある「二つの自分」を利用した。
1ハウス双子座だと二つのアイデンティティ(自分意識)となり、これも予想の候補でしたが、全体のバランスがあまりよくありませんでした。
言語活動を表す3ハウスには天体がありません。支配星の流れを追うと、3ハウスのカスプ牡牛座の支配星金星は6ハウスにあります。
6ハウスは10ハウスで社会的成功を収めるための準備段階のハウスです。お笑い芸人としての古坂大魔王が「残念」なのは、準備段階であるはずの6ハウス(つまり楽屋)が真の意味での表現の場(獅子座)であることです。
爆笑問題の田中は古坂を「楽屋真打の代表選手みたいな人」と評し、「楽屋では誰よりも皆を笑わせるんだけど、本番ではそれを一切発揮できない」と語っている。
くりぃむしちゅー・上田は様々な人物に古坂を売り込んでおり、明石家さんまに「日本一面白い奴がいます。古坂っていうんですけど…」と紹介したところ真顔で「俺よりおもろいんか?」と返されたという。(ウィキペディアより引用)
下の動画には楽屋に見立てた舞台でのトークライブが映されていますが、本当に面白いです。
ゲスト:アンタ柴田「古坂大魔王トークライブ 日本一見せたい楽屋」
3ハウス(言語活動)の内側は双子座になりますし、3ハウスカスプ牡牛座は金銭を表すので、芸人として食べていこうとした彼の生き方に沿います。
しかし彼は音楽とお笑いの融合にこだわったそうです。それを表すのが蟹座5ハウスの太陽と水星です。5ハウスの太陽なので、根っからのパフォーマーです。蟹座は水のサインなので同化や融合を表します。
何と融合するのでしょうか。太陽の有力なアスペクトに天王星があります。天秤座は金星の支配星なので音楽も表します。天王星は電子を表すのでシンセサイザーのような電子音楽とお笑いの融合を目指したのでしょう。
しかし、スクエアなのであまりうまくいきません。実際にも「底ぬけAIR-LINE」として活動していたころの古坂さんはテクノポップとお笑いの融合がうまくいきませんでした。
そこで登場したのが、古坂さんの「シャドー」としてのピコ太郎です。
その人の影の部分を表すのは12ハウスです。12ハウスには月があります。
多くの場合、12ハウスの月は「秘められた(12H)私生活(月)」を表します。しかしこの場合は、シャドーとしての自分自身を表していると読みました。
月はアスペクトが豊富で、まず先ほどの天王星とトラインなので良好な関係です。音楽を表す金星とはオポジションなので常に影響するされるの関係です。
金星は6ハウスですがこれは作業場と読めます。獅子座なので表現のための作業場と考えられます。それは打ち込み音楽や動画の制作をするピコ太郎の状況と合致します。真の意味でピコ太郎が活躍したのは、一般的な表舞台ではなく舞台裏(12ハウス)でした。その舞台裏はワールドワイドな電子の世界(水瓶座)でした。
月は最初に挙げた海王星とはアスペクトがありませんが、ゆるい合である木星と9ハウス海王星がセクスタイルの関係です。しかも7ハウス冥王星とトラインの関係。
7ハウスの天秤座の冥王星に「カリスマとの交流」を思い浮かべました。それはおそらく、彼の動画を全世界に知らしめたジャスティンビーバーを示すのではないか。
彼は売れていない頃に立川談志さんに評価され、前座をやらせてもらったり手紙をもらうなど交流があったそうです。思いがけない大物との人間関係に恵まれていたようです。
いろいろ述べてきましたが、予想においていちばんそれらしいかなと思ったのは、1ハウスの火星です。
第1ハウスの火星:行動で自分の意志を認識する。自己顕示欲が強く、行動はスピーディー。攻撃的な言動をする。無謀なチャレンジ精神。
なぜかというと、ウィキペディアに次のように書かれていたからです。
一方で、学園祭などの営業でネタを見て「つまんない」と言ってきた学生に詰め寄って「えっ? えっ? 何? 何? 今何て言った? つまんない? 君の方が面白いの? じゃあ面白いこと言って。3・2・1、はい、言えない。言えない」と言って煽ったり、飲み屋で騒いでいる大学生に向かって「プロの前ではしゃぐな!」と激怒するなど、エリート意識が高く大人らしからぬ言動を取ることも多々あることを番組内で暴露されたこともある。(ウィキペディアより引用)
これらの発言の裏にはお笑い芸人としては売れなかった彼のジレンマが潜んでいるように感じました。
面白いのに売れない。
自分の存在意義に対するコンプレックスはおそらく、1ハウスカイロンの影響でしょう。
火星とカイロンは火星のホームグラウンドである牡牛座において融合しています。もしカイロンがなかったら、その攻撃性がストレートに出てしまったかもしれない。カイロンは男の中の男である牡牛座の火星を際立たせないための良い歯止めでした。
それだけでなく、時に人生のターニングポイントを演出するカイロンは、男性的(火星)な仮装(カスプ魚座)をさせることで、世界中に動画を流行させるきっかけとなりました。なぜなら1ハウスは外見を表すからです。
件の動画は海外では、ヤクザのような恰好で歌っているところもウケた一因だったそうです。
以上、古坂大魔王さんのホロスコープでした。
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