今回は出生時刻がネットにあがっていたので、それを元にしました。
ウィキペディアによると和歌山県の串本町の生まれだそうです。
解釈が難しいホロスコープでした。一筋縄ではいきません。
でもこの出生時刻であればこう考えれば納得できる、という解釈はできました。
1955年7月1日は太陽は蟹座にあり、月は一日中さそり座にありました。
そうすると、さんまさんのイメージとやや違うわけです。特に月さそり座がおかしい。
おかしいといってもその部分は動かせない。
そうするとどこか別のところで明るさやおもしろさが補填されなければならない。
こちらがホロスコープ。
このホロスコープには「からくり」がいっぱいあります。
いちばん大きな要素はアセンダントとドラゴンヘッドの合です。
アセンダントは生まれた瞬間を表します。
それはこの世に飛び出す力、つまり世間に対して自分を押し出す力になる。
それが得意分野を表すドラゴンヘッドと重なると、自分を押し出すのがうまいのだからすごく人気がでてきます。
このときアセンダントは射手座になります。
太陽サイン蟹座、月サインさそり座はともに女性サインで、受け身的な生き方をするはずです。
しかし射手座でアセンダントがドラゴンヘッドと合なので、陽気に積極的に自分を押し出す力が加わります。
太陽・月に欠けた積極性がここで補填されたのです。
射手座のアセンダント:現状に安住できず、終始落ち着きがありませんが、オープンで快活なキャラクターで人からは好かれやすいといえます。ぱっちりとした力強い目が、時折、遠いまなざしになるときには、現実逃避的な空想の中に浸っているはずです。
このときMCは天秤座になります。
天秤座のMC:客観的な視点に基づく洗練性を社会にもたらすという使命を持ちます。対人交渉力や洗練されたセンスが求められる職種に適性があり、ファッション、デザイン、モデル、接客、仲介業などに向いているでしょう。個人にスポットライトの当たる職場環境において本来の能力が発揮されます。
だんだんさんまさんらしくなってきました(笑)。
さてこちらはアスペクト表です。
太陽のアスペクトに注目してください。
メジャーアスペクトが土星とMCにしかないのです。
友人をあらわす11ハウスにブレーキ的な役割をする土星があると、友達が少ない人になります(笑)。
太陽がMCとスクエアのときは、仕事に恵まれない人になります(笑)。
どちらもおかしいのです。
でも、よくよく考えるとドラゴンテイルが7ハウスのカスプであるディセンダント(DC)と重なっている。
アセンダントがドラゴンヘッドと合なので、必然的にそうなります。
DCはなじみが薄いかもしれませんが、要は7ハウスの境界線なので他者とのかかわりの仕方を表します。
7ハウスというと結婚相手がイメージされますが、それ以外の一対一の他者とのかかわりにも関係します。
つまりDCとドラゴンテイル(不得意分野)の合をもつ人というのは、結婚や一対一の対人関係に苦手意識を持っている。
さんまさん自身がいった「俺は結婚不適合者なんやとわかった(ウィキペディアより)」という言葉は、その苦手意識を物語っているのでしょう。
ホロスコープで人的交流の場は3ハウス・7ハウス・11ハウスです。
風のサイン(双子座・天秤座・水瓶座)を原形とするハウスが人との交流関係をあらわしている。
このときさんまさんの7ハウス的な人的交流はほぼ消えているといえます。
本来であれば、ドラゴンテイルが天体に直接の影響を及ぼすのは、合の範囲にある時だけです。
でもさんまさんの場合はDCと合であるため、7ハウス全体が無力化している。つまり、そこにある太陽や火星などの天体の存在感も消えているのです。
そういう解釈をすると、太陽にどんなアスペクトがあっても問題ないことになります。
そしてさんまさんの人的交流は11ハウスで補填されるわけです。
第11ハウスの月:物おじせず、ナチュラルに人に対することができる。個人的な生活をのぞかれることに抵抗感を感じないので、人の出入りにルーズ。女性の友人が多い。のびのびした家庭生活で、子供を抑圧しない。親しい人が多くても、親密な関係になることは比較的少ない。
さんまさんの人的交流のイメージはサークル的に大人数と交流する感じが強いので、11ハウス的といえるでしょう。
月は8ハウスの木星・冥王星とのアスペクトがあります(7ハウスの天体とのアスペクトは考慮しない)。
第8ハウスの木星:他人の感情を逆なですることなく場を盛り上げることのできる独特な才能がある。人の感情に対して従順であるということが、融資を受けやすい資質にも結びつく。企業運営に向いていて、小さな会社との取引よりも、できる限り大手と関わる方がより成功しやすい。夢、あるいは人の死は、この人に大きな恩恵をもたらすことが多い。豊富な情念と情熱をもつ。
第8ハウスの冥王星:探究心が強い。対人関係で、決して踏み込んではならない領域に容易に侵入する。それはときに生死の支配権にまでいたる場合も。死に目に会うことで、人格が一変する。一度抱いた情念はかなり長期継続する。金銭の貸し借りで面倒なことになりやすい。危険な相手に好んで近づこうとする。基本的に巻き込まれることに対して抵抗感がない。
幼少期の生い立ちなどはウィキペディアにほとんど記載がありません。
推測ですが、冥王星によって性格が一変するような出来事があったのでしょう。
どんなふうに一変したのか?
冥王星は獅子座にあるので、目立ちたがりの性格に一変したのです。
それにより月サインさそり座の性質がくつがえりました。
また冥王星は月とはスクエアですが、より遅い天体とはイージーアスペクトなので、概して悪い影響にはなっていないはずです。
『いまる』さんの命名の由来となった「いきてるだけでまるもうけ(生きてるだけで丸儲け)」という言葉は、8ハウスとの絡みが多い彼の人生を物語っています。
さて私の中のもう一つの疑問は、どこにおもしろ要素があるのかというものでした。
アセンダント射手座は陽気
かつドラゴンヘッドと合なので人気者
もともとフレンドリーな月が 目立ちたがりに変貌
これだけでは「おもしろい」人にはならないのです。
ホロスコープに根拠を求められない要素は、人生にもあらわれません。人生にあらわれる現象はすべてホロスコープに根拠が求められます。
どこかにおもしろ要素があるはず、と考えてみつけたのがこの天体。
第6ハウスの水星:仕事ぶりは細かい。水星は第6ハウスのルーラーであるため、水星の分析力、実利的な判断力においては発達する。ただし枠の中では有能であるが、自分の能力の限界を超えることには消極的。
第6ハウスの金星:審美眼やサービス力を生かした職業に適性がある。人の要求に応えることがとても楽しみとなる。 人を扱うマナーに秀でる。
この2天体が言葉の扱いとユーモアの得意な「双子座」にあるために、しゃべくり要素とおもしろ要素が加わった。
つまり、6ハウスの水星は乙女座的な実務能力につながりやすいけど、3ハウスの原形である双子座にあるために言語活動へ向かったのです。
乙女座(6ハウスの原形)にしても双子座にしても支配星は水星なのでややこしいですが、効力が強まった6ハウス(の水星)といえます。
ここでおもしろいのは、水星・金星ともに太陽・月とアスペクトがないことです。
2ハウスの天体がノーアスであっても、経済活動をしない人はいません。
それと同じで6ハウスの天体に主要な天体とのアスペクトがなくても、労働しないわけではないんです。
ただそれは人生の目的や私生活とも切り離された、単なるルーティンワークです。
さんまさんは生活するために働くという意識、あるいは「仕事をしている」という意識さえも薄いかもしれません。
アセンダントとドラゴンヘッドの合
ディセンダントとドラゴンテイルの合
11ハウスの月と獅子座の8ハウス冥王星とのスクエア
双子座の6ハウス水星
これらが絡み合って明石家さんまというキャラクターがあらわれた。
この出生時刻で考えるとしたら、私はそう解釈しました。
PS.難しいホロスコープでした。
ふりかえると、タレント人気度ランキングで常に上位に君臨するさんまさんの取っつきやすさは、太陽の意志つまり「自我」が薄いことにあるのかもしれません。
自我は生きていく上で必要だと誰もが思っていて、実際に自分(太陽の力)を生かそうと誰もが頑張ります。
しかし自我を押し通すことで社会の波風と対峙することにもなります。
さんまさんの生き方は太陽の力が消えていて、我を張らない生き方なのでしょう。だから、多くの人にとって気に障らない存在だった。親しみやすい存在だったのです。
そういう人はなかなかいません。その意味では、ホロスコープも難しく珍しいほうが逆に説得力があります。
こういう人はもう二度と現れないだろうと実感した、明石家さんまさんのホロスコープでした。
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